こんばんは!しれっと復活しました。


今回はインタビュー企画です!ゲストはRing Ring Lonely Rollss!大好きなバンドです。
まずはプロフィールの抜粋から。

多幸感溢れるサウンド。ロックンロールでいて、サイケでポップ。

儚いからこそ浮彫になる生きることへの圧倒的なエネルギーは、音と言葉の波となってそこにいる者を引きずり込む。

音楽ってそうゆうことでしょ?

あなたの目には彼らの後ろにどんな景色が見えるのだろうか。

自主レーベルであるLEMONPOLICE RECORDSからシングル『IKEBANA POP』をリリースしたところですが、あまりにも素敵な三曲が詰まっていて!!

まだ聴いてない人は各種配信サービスからぜひ。


今回のインタビューは、その音源について、そしてそもそものリンリンというバンドについて、大坂元紀さんと森ともかさんの、ツインヴォーカルお二人からお話を伺いました。

音楽、映画、博愛、サイケデリック。ビビッドでカラフルな世界の奥のちょっとした影。


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Ring Ring Lonely Rollss

大坂元紀 Vo.Gt 作詞 作曲  (中央)
森ともか Vo.Pf.Gt etc 作曲 (右から二番目)

http://ringringlonelyrollss.tumblr.com/


――Ring Ring Lonely Rollssから、今日はお二人に来ていただきました。


大坂元紀(大) 大坂です。ヴォーカル、ギター、作詞作曲をやってます。


森ともか(森) 森ともかです。ピアノとアコギと……叩いたり跳ねたり回ったりしてます。楽しいよ!笑


――キーボードとは言わないですよね。プロフィールにもPianoと書いてあって。


森 そうなんです。キーボードを弾いてるつもりはなくて。


大 あと本当のキーボーディストにも失礼だよね。


 私なんかがキーボーディスト……ではないよなって。私はピアニストである!と思ってやってます。




~まさにティム・バートンだよね!~


――それではよろしくお願いします!

今日はお二人ですが、リンリンは五人編成なんですよね。

せっかくなのでリンリンってどんなバンドなの?というお話を元紀さんの方からお話していただきたいのですが。


大 儚いバンドだよ。笑 「ヒッピー、ハッピー、だけど…」みたいな。

僕らのことをハッピーって言ってくれる人はもちろんありがたいんですけど、そんなにみんなが言うほどハッピーかい?ってところもあって。


森 そのハッピーの奥にもう一つあるんです。

それも含めてライブで見てもらって、ハッピーになってくれたら嬉しいよね。


大 うん、ライブではめちゃくちゃ楽しいし。


――ハッピー"だけど…"っていう部分って今回の新曲たちにも込められている気がしていて。今リンリンがそういうベクトルに向いてるっていうことですか?


大 もともと本質は変わってなくて。

「Rock'n'Roll」とかを作ってたときは超どん底なところにいて、そこからの振り幅が凄いからハッピーな曲が出来たりするんだけど、ある程度生活が満足していると他のことに目が行くんだよね。

今回の「IKEBANA PSYCHO」だったら、日本やだなあ…みたいな違うベクトルかな。


――そもそもリンリンの中のサイケってどういう部分なんでしょう?

もちろん音楽としてのサイケってジャンルもありますけど、ちょっと違いますよね。


大 うん、確かに違うよね。サイケって音楽だと例えばThe Zombiesとか最近だとTame Impalaとかが出てくるけど、リンリンに近いのはビートルズの後期とかCreamとかなんじゃないかなぁ。


――パンクバンドの人なんかは、よく精神としてのパンクの話をしたりするじゃないですか。それに近いものを感じるんですよね。


森 あー!そうだね!そうかも!


大 リンリンってロックバンドだけどロックバンドではないし、たぶんサイケでしか言い表すジャンルが無かったんだと思う。サイケってなんでもありだから。

もっと言葉を使っていいんだったら、ティム・バートンも近いと思う。


森 ジャンルに捉われないみたいな意思もあるしね。

カラフルだし…まさにティム・バートンだよね!ちょっとダークなところとか怖いところもあるし。


――確かにそういう見方をすると『チャーリーとチョコレート工場』なんかはすごいサイケですよね……!


森 そうそう!あれが一番近い!ファニーでポップ。

リンリンは二次元的なサイケって感じかな。可愛くてちょっと怖くて、よく分からないけどなんか面白い!みたいな。


大 ヒッピーに近いかもね。60年代が好きだし。


森 うんうん!個人的にもあの時代すごく好きで。

クスリとかが無くてもここまで楽しめるんだよ!っていう自由とか音楽の可能性みたいなものを自分たちで広げていけたらいいなって。だからこっちはネオヒッピーって感じだよね。




~あれは超J-POPだから~

――「IKEBANA PSYCHO」の話をすると、リンリンでは新しい和のテイストがあって。いきなりお囃子が聞こえてきてびっくりしました。笑






大 前からリンリンを好きな人は軽い衝撃を受けると思う。ちょっと引くんじゃないかな…。笑

でもびっくりさせていかないとね!


――そのコンセプトはどういう経緯で決まっていったんでしょうか。


大 誰もやってなかったからやった、が一番大きいかな。

もともとはフレーズから寄せていった感じで。最初はビートが普通の四分音符だったんだけど、それを跳ねさせたら和っぽくなったから、それに寄せられて和な感じに決めたというか。

歌詞も、国とか生活に対する不満の方に寄っていったから、もうがっつりと日本に寄っちゃおうって。面白そうだし。

あと、DA PUMPの「USA」を見て、「真逆をやりてぇ!」って思って。笑
「俺は日本人だしこっち(和)っしょ!」みたいな。


――和っぽいフレーズが出来たから、歌詞も日本のイメージに寄っていったような。


大 いや、寄せずともすでに "水行末 雲来末 風来末" とか書いてたんだけど、その後にお囃子が思いついて。

あと半年くらい前に「昭和元禄落語心中」を見ていて、その影響は強い。


――確かに落語も毒を秘めてますし。


大 そうそう。美しいよね。


森 やっぱり反対のものがあると引き立つよね。

闇があるから光が引き立つ感じで、毒があることによって優しさとか美しさが引き立ったり。


大 ツイッターとかインスタで頑張って幸せ描写をやっているのが気持ち悪くて。そこらへんがめちゃくちゃ歌詞に出てるかな。

"これよくない?よくないけどいいね" とか超皮肉で。表面ばっかでみんな繋がってるのが気持ち悪いなって。




――歌詞の中で、”J-POP”って言葉を使っていたのが面白くて。


大 そう!J-POPが作りたかったの。

俺的にはあれは超J-POPだから。世間的には違うみたいだけど。笑


――シングルのタイトルも『IKEBANA POP』で。

リンリンが生け花という言葉を使うことにも意外さがありました。


大 J-POPって言うからには、日本語の歌詞って本当は良いんだよってことを伝えたくて。

歌詞を作ってるときに、日本っぽいものってところから連想したんだけど、生け花が一番しっくりきたんだよね。まずカッコいいし!凛々しくて美しくて慎ましい。


 こんなに歌詞が綺麗で、さらに裏側にいろんなものが見えて……っていうイメージから生け花じゃない?って流れになったんですよね。それでタイトルも『IKEBANA POP』っていうタイトルになっていったんです。

単なるJ-POPなわけではなく、そのジャパニーズの奥に切り込みたかったんです。


――森さんから見ると、元紀さんの歌詞はどういう印象ですか?


森 歌詞、昔からすごい好きなんですよ。人柄そのまんまだし、それが変わってない。

今まで生きてきた中で、自分の思ったこととすごく合うなって思ったことが全然なかったんですけど、元紀くんの歌詞を見たり話したりすると、私と全部同じ考えだから、分かってくれる人がここにいるんだ!って思います。


――今までファンタジー色の強い部分もあったりしたと思うんですけど、今回は日常感が強くあって。


大 確かに!生活感が見えるって言われる。

『Chemical』(2ndAlbum)のときは、絵本みたいにしたかったんだよね。「星の王子様」みたいな。

でも、なんのテーマもなく無意識に作ると今回みたいになる。

三曲目の「Hyper Love Song」だけちょっとファンタジーだけど。




――「IKEBANA PHYCHO」はMVも公開されていて。

毎回面白いですけど、今回は宗教感も強いホラーテイストで、ちょっと怖かったです。


森 嬉しい!笑


大 意外と怖いって言ってくれる人が多くてびっくりしたよね。

廃墟で撮ったんだけど、とにかく蚊がヤバかった。笑

あと肌に塗ったやつが落ちなくて……。マニキュアついたままラーメン屋行ったりして。笑


森 一瞬でお金出したりしてね。笑

腕に金色のアクリルを塗ってて、それが本当に落ちなくて。


大 監督をやってくれた人が、いろんな大人の事情で名前が出せなくて、制作をクレジットするのに「22世紀フェイクス(22th Century Fakes.)」と「ナーナー・ブラザーズ」って二つ案があって。笑 

監督と相談して「22世紀…」にしたんだよね。個人的には「ナーナー・ブラザーズ」の方が……。笑


――今回、和っぽい楽曲があった上でこういう映像にしようと思ったのはどうしてですか?


大 本当は、神社とか盆踊りを使ってバチバチの日本感を出そうとしてて。

でもちょうど監督さんが、「なんでこんなところにこのデザインが?みたいな違和感を押し出すことで逆に孤立した文化の感じが出るんじゃないか」って話をしてくれて。「違和感のある世界観」っていうテーマから発展していった感じかな。

あとはサナキ(yEAN)が決まってくれて良かった。演技うま!って。




~リンリンは博愛の曲しかないから!~

――二曲目の「in the morning」も日常感が強くて。

夜明け前のあの感じって、日常で限りなくファンタジーに近い一瞬なんじゃないかと思っていて、リンリンの持つリアルとファンタジーの間の世界にすごくリンクする部分があるなと思いました。


大 本当にそんな感じ。笑 まさにそれを表現したかった。

最初は「a summer day」って曲だったんだよね。「朝まで」とかけて。


――インタビューが決まる前からダウンロードして聴いていましたけれど、最近になって結構好きになってきたんですよね。


森 あー!私も!

元から好きだったけど、やればやるほど味が出るんですよ。どんどん色鮮やかになるっていうか、ライブを重ねるごとに感情が変わっていくんですよね。そこが曲の醍醐味っていうか。


――その感情の変化は詳しく聞きたいです。


森 最初はただ良い曲だなぁ〜って弾いてたんだけど、弾いているうちに自分に重ね合わせたり、他の人だったらこう思ったりするのかもって考えられる奥ゆかしさがあって。

こういう根本的に良い曲がもっと広まるといいなって思います。


――そういった根本的に良い曲が『IKEBANA POP』って名前の音源に入ってるっていうのがポイントですね。


森 しかも二曲目に!


――結局B面の方が好きだなっていう感覚ですね。笑


森 あーそうそう!気がついたらこればっかり聴いてた!みたいな。それに匹敵する曲です。




――三曲目の「Hyper Love Song」は森さんの作曲で。


大 『goodnight Bohemians』(1stAlbum)に入っている「Love」って曲が元で、それが森の作曲なんです。

それを俺がロックバージョンに落とし込んで。超大変だったけどね。笑


――なるほど。過去のその曲から引っ張ってこようと思ったのはどうしてでしょう。


大 あれが単純にカッコ良かったから、なんとか使いたいと思って。
いろんなパターンを試して、家でずっとパソコンと向き合って構成考えて…。


森 長いことずっとやってたよね。


――でもそれが見事に形になってます。ハイパーって単語、むやみやたらに元気出てきますよね。笑


森 むやみやたら!分かる。笑

全ての感情が100%でいろんな方向に向いてる感じ!思いっきり泣いて笑って。


大 クラシックとロックが混ざってて、ジャンルもめちゃくちゃだし。


森 私はそれがやりたかったんですよ。クラシックとロックやポップの融合。

私は昔からクラシックをやっていたんですけど、クラシックを知らない人ってバンド界隈でもやっぱり多くて。クラシックってめっちゃカッコいいんだよ!ってことを伝えたくてバンドやってるところもありますね。

それを上手く共作してくれて。自分の曲を他の人が変えてくれるのがまた面白くて!これが出来たときには来たっ!カッコいい〜〜って思いました。笑


――うんうん。この曲は全編通してドラマチックですよね。


大 そう、「ラ・ラ・ランド」だから!


森 「ラ・ラ・ランド」の全曲詰め込んだ!みたいな。笑 


――あー分かります!エンディング直前のフラッシュバックしていくシーンはまさにそうでしたよね。笑


森 そう、カラフルだしね。大団円!!って感じ!


大 感情も激しいし。Aメロなんかは、別に怒ってないんだけど歌っててブチ切れてる感があって。

あそこでチャック・ベリーを入れた俺のセンスだよ。笑


――まだ聴いてない方はぜひ聴いていただきたいところですが、あのギターからあのピアノの流れはズルい!笑

ライブで最初聴いたときはそのギャップに本当に驚かされました。


大 そうだよね!ポカーンとされちゃうこともあって…。だから一回ちゃんと音源化してからライブでやろうかなって。笑

30分の限られたライブの中でポカーンとされちゃっても悲しいから、これで予防注射を打ってもらって。笑




――さて、自主企画も控えてますが、毎回共演者が良くて!

リンリンもそうですが、日本の枠で活動するのがもったいないバンドが揃いますよね。


大 うん。対バンめちゃくちゃ良いからね。


――リンリンのメンバー内で共演を相談していく中で、みなさんが共通して「いい!」って思うところってどこなんですか?


大 唯一無二感!量産型じゃなくて、人と似たようなことをやってないってところかな。あとは絵的にも面白かったり、雰囲気を持ってるってところが共通点かも。


――インタビューを見た方はぜひ29日は下北沢THREEに来てもらって。


森 そうですね!チケットフリーだし、いっぱい曲聴いてほしいし、いろんなバンドを知ってほしい!


――それでは最後にお一人ずつコメントをいただいておしまいにしましょう。


森 そうだなぁ…いっぱい曲聴いてね!ライブ来てね!!


大 そうそう、一つ言い忘れたことがあって。

「in the morning」の話のときに気付いたんだけど、俺の歌全部ラブソングだったわ!って思い出したんだよね。

リンリンは博愛の曲しかないから!

――いただきました。笑 それでは今日はありがとうございました!


以上です!

カラフルポップな中のエグみ。サイケという言葉の懐の深さ。皮肉と落語と毒。
音源を通じたお話から、どんどん広がる世界がありました。

このインタビューを踏まえて『IKEBANA POP』を聴く楽しさはもちろん保証しますし、さらに言えばついでに「ラ・ラ・ランド」を観たり「昭和元禄落語心中」を観たりしても良いのでは。
あらゆるカルチャーがたっぷりトッピングされたリンリン、リスナー側の芸術体験によって聴こえかたがきっと変わってきたりもするはず。

影響を受けたと言える芸術、出会っていこうじゃありませんか。

ということで、最後に音源と自主企画の詳細を貼っておきます。
下北沢にも、インターネットにも、たくさんの芸術が溢れております。


Ring Ring Lonely Rollss
『IKEBANA POP』

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収録曲

1.IKEBANA PSYCHO 
2.in the morning
3.Hyper Love Song


発売日:2018年11月21日

価格:¥1,000(税込)

LPR-003(CD)



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Ring Ring Lonely Rollss pre.
PSYCHO 4 「IKEBANA POP」リリースパーティー
11月29日(木)下北沢THREE open/start 19:00
入場無料!(要ドリンク代) ・Ring Ring Lonely Rollss ・SESAME ・ABNORMAL GALA ・DJ:TIPS

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みんなで遊びに行こうね!

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