お久しぶりです。遅くなってしまいすみません…!
昇進したり結婚したりとまさに公私ともどもバタバタしているところですが、皆さまお元気でしょうか。お待たせしました。誰も待ってないよなとは思いつつも、忘れ去られることほど悲しいものはないのであくせく更新させていただきます。

大森靖子ファンインタビューしつこくやっていきます。ついにその9まで。

話めちゃくちゃ変わるんですけど、「ドキュメント72時間」というNHKの番組が好きで毎週録画してるんですよ。
同じ場所で三日間カメラを回してそこで出会った人と少しばかり話をするという、街角人生切り取りドキュメントで。
このファンインタビューももしかしてまんまそれなのかもと最近思っております。

街明かりの一つ一つがおっさんの仕事場だったり家族の団欒だったり受験勉強する予備校生だったりするわけで、その誰にも蓄積された思い出があって…と考えると宇宙の大きさに似た底知れぬ深さと怖さとワクワクを感じませんかね。そしてそれを少しずつ拾う作業をしています。
貝を片っ端からこじ開けて真珠を探すような先の見えない試みではありますが、いざ集まったのはどれも美しい真珠なので過去のインタビューとかも良かったら見ていってくださいまし。


今回は、大森さんの歌詞一節一節から少しずつ生き方を変えてきたような女性。
化粧もしたことがなかったような人生。そしてそこまで大森さんに影響を受けるがゆえの苦悩について。


き…きっずー。さん
ふ…ふじーよしたか(音楽八分目)



ふ それでは、話せる範囲で自己紹介をお願いします。

き 23歳会社員です。
音楽は元から好きだったんですけど、ちょっと遅くて高校三年生くらいからで。
受験終わってダラダラしてるときに親のCD漁ってブルーハーツを聴いて、好き!ってなって。
それで色々聞き始めて…大森さんに近いところだとYUKIとか銀杏BOYZとか、毛皮のマリーズとかamazarashiとか忘れらんねえよとかがすごい好きですね。

ふ おぉ、メジャーどころから結構掘っていった感じですよね。

き そうですね。好きな系統のものしか聴かなかったんで。
ただ、大森さんも含めてなんですけど、銀杏BOYZとか神聖かまってちゃんとか始めに聴いたときに「うわ、なんだこれ」って思ったんですよ正直。
でも 一、二年経って聴いたら「うわ、なんだこれ…!」ってなって。

ふ 文字じゃ伝わりづらいやつだ。笑



き 大森さんはたしかタワーレコードで『絶対少女』を視聴したんです。「絶対彼女」を最初に聴いたと思うんですけど、「アイドル気取りかー興味ないなー」ってくらいの思い出しかなかったです。
しばらく経ってから、「絶対絶望絶好調」のPVがしつこいくらいにYouTubeのあなたのおすすめに上がってきて。
そこまで言うならって聴いて、普通に好きかもって程度だったんですけど、その後に「イミテーションガール」を聴いて、その歌詞がわたしのそのときの状況にあまりにも当てはまりすぎていて、「あれ、これはわたしのことをどこかで見ていましたか…?」ってなって、この人のこともっと知りたい!って思って。YouTubeで上がってるのは全部見て、そこからブログにたどり着いたんです。

ふ 大森さんの。

き そうです。あんまり芸能人とかミュージシャンのブログって見ないんですけど、人のブログを読んで泣いたのは初めてでした。

ふ そうか、急に人そのものへの興味が湧いたんですね。

き そうです。インタビューとかを見ても喋ってることとか何もかも全て好きだなって思って。
歌ももちろん一番始めに好きだったんですけど、こういうこと言って考えてるんだっていう人が歌ってるって思ったら、もっと好きってなって

ふ 「イミテーションガール」はどの歌詞が…とか教えてもらっていいですか?
わたしのこと歌ってるっていうのは結構具体的なところなのかなって。

き 最初の歌詞の、

"がんばってる左手 余裕のファックアンドピースつよい右手
がんばってるからなんなの
からまってる一人で からまわってるひどいね
このまま消えちゃうのは 嫌"

ここがまずガツンときて。
これは冴えない青春を送ってきたなりにもがいてた人の青春を救う曲だと思ってるんですよ。





ふ 自分もそうだったんですか?

き ちょっとイタい話になるんですけど、わたし自我の目覚めが14歳だと思ってるんです。
それまでずっと電波ゆんゆんな感じで過ごしていて、中学校三年生の時に転校したんです。そのときに全然友達出来なくてずっと一人で過ごしてたんですけど、「わたしこのまま生きてたらこのまま死ぬんじゃね?」って当たり前のことにふとハッてなって。
高校で部活を一生懸命やろうと、演劇部に入ってめっちゃ頑張って。
うまくはいかないけど、うまくいかないのはこれまでわたしが15年間人生サボってきたからしょうがないんだって思いながら。

それがここらへんの歌詞によってぶち抜かれたというか。
"このまま死んじゃうのは嫌"
っていう部分です。

ふ このまま何もなく死んじゃうのが嫌だなって思ったのが中三だったと。

き 特に喜怒哀楽が何もないような人だったんですよ。それってもしかしてすごくつまらないのではないか?って思って。
このまま友達も出来ず好きなこともなく…っていうのはおかしくない?って思って。

ふ 一人の時間が多かったんですか?

き 中三のときはぼっちだったので。それまでもまあいじられてるんだかいじめられてるんだかって感じで。
それをなんとかしたいなあって初めて思ったのが15歳くらい。
ただその後も頑張らなくちゃいけないから頑張ってるだけであって、そんなに演劇が好きだったかというとそんなわけでもなく。

ふ 何か打ち込めるものが欲しかったんですよね。それがたまたま演劇だったと。

き そうですね。別に好きなわけでもないし、特別楽しいかと言われるとそんなわけでもないんだけど、これをやってれば正しいような気がするし、なんかまともな人間になれそうな気がするからやってるみたいな。
っていうのを全部見透かされて、心の内を歌ってくれたような気がしたのが「イミテーションガール」で。



~卒業旅行を抜け出して~


き  例えば周りからみんな「お前が悪いお前が悪いお前が悪い……」って言い続けられると、自業自得だとしても「いやそんなことねーし!悪くねーし!」って言うしかなくなると思うんですけど、そんな中に「あなたは悪くない」っていう人がいたら、「いや、わたしが悪いんじゃないかな」って思うんです。
わたしにとっては「あなたは悪くないよ」って言ってくれる、一番安心できる人が大森さんで。本来だったら親とか友達とか恋人がそういうポジションになると思うんですけどね。
でも同じことを言っていても深く届くか届かないかっていうのはその人がどういう人かとかどういう表現をしているかによると思うんですけど、自分の心に一番届くかたちだった人が大森さんで。

ふ それってなんで届いたんだと思います?
今までいろんな音楽を聴いてきたでしょうし、いろんな人と関わってきたでしょうし。
でもそれを大森さんが飛び越えたというのは。

き なんなんだろう…。難しいところですけど…。
大森さんを初めて見たときに好きだなって思ったのが、「好き勝手やって生きていいんだよってことを、私が好き勝手やることでみんな分かってくれればいい」みたいなことを言ってて。
最近は治ってきましたけど、大森さんコミュ障じゃないですか。テレビとかを見て、あっこの人完全にこっち側の人なんだなって思ったっていうのもあります。

ふ しかもそういう人がちゃんとテレビに出ているという希望もありますよね。

き そうなんですよ。そういう人が表に立って攻撃を受けてくれてるというか、いろんな人の代わりに笑われている人がこの人なんじゃないかなって思って。
これを表に出したらあんまり良くないだろうな…ってことは皆言わないで生きてると思うんですけど、それを言ってくれることによって、あっわたしの頭がおかしいわけじゃないんだって感じられたというか。
今までもそういう風に思った歌手とかもいたんですけど、大森さんは同じ時代にリアルに生きていて、その存在を感じさせてくれる人というか。歌と詞だけじゃなくて色々見させてくれる人が大森さんで。

ふ それがまさにさっきのなぜ届いたのかっていう質問の答えになりますね。
ちなみにご出身は北海道で、転職をきっかけに上京されたとのことでしたが、北海道からライブには行ってたりしていたんですか?

き 二回行きました。

ふ それって結構自分の中では冒険だったのかなって思うんですけども

き 一回目は大学の卒業旅行で東京に来ていたときで、その最終日にベイキャンプで大森さんが出てたんですよ。だから「すげー大事な用があるから、まじごめん!」って言って卒業旅行を抜け出して行ったんですけど。笑

ふ まじすか。笑

き すごいブーイングをくらって。笑
「わたし一日遅れて帰るから!ごめん!」って言って。

ふ あ、みんな先に帰るんですね。笑

き そうなんです。オールだったのでネカフェに泊まるわ!って言って。
二回目は大森さんの為だけに根本宗子の演劇(「夏果て幸せの果て」)に行きました。

ふ ちなみにこれまでいわゆる遠征をしたことは。

き 全く無かったです!

ふ ライブに行かない分、例えばライブ動画であったりとか大森さんの動きが次々と更新されていくじゃないですか。
その感じを東京ではない遠くから見る、というのはどんな感じなのでしょう。

き 本当にハマったころは大学を卒業していて一番初めの会社(北海道)に行ってたころだったんですけど、仕事が全然上手くいかなくて。
心の中の唯一の頼りが大森さんみたいに、大森さん以外にこの世に希望がないみたいな感じでマジで思ってて。
過去のものとかコラムとか他の人が大森さんについてつぶやいた感想とかも全部読もうと思って、すごいパトロールしてました。ツイッターとかで大森さんの歌詞について、「これはこうだからこうで素晴らしい」みたいなことを一日中呟いたりとかしていて。

ふ これまでそんなにハマった人もいなかったんじゃないですか。

き そうですね、ハマった人はいたんですけど、ここまでじゃなかったですね。



~大森さんに会うまでにどうにかしなければいけない~


ふ そうなると、結構尋常じゃないですよね。笑
それがさっきの話だと「イミテーションガール」あたりになるんですか。

き そうですそうです。最近こそインタビューとかで大森さんが"肯定"っていう言葉をよく使っていますけど、それ以前から私のボロクソな毎日と人格と人生を、ボロクソだとは認めつつ肯定してくれてると思っていて。
わたし、それまでは「男の人がいなくちゃ生きていけない!」くらいに思ってたんですけど、「男の人いなくても大森さんがいるから生きていける!」になって。
最初就職した会社とか、泣きながら出社して泣きながら帰ってくるみたいな感じだったんですよ。
そのときは「ハンドメイドホーム」とか「Kitty's blues」とか聴いてました。

タワレコの特典で「愛してる.com」を聴いたときが、全部イヤであてもなく仕事辞めちゃおうかなっていうタイミングで。

"思い出だけ 綺麗なんて 大人のやることよ 腐らないで"
っていう歌詞を聴いて、「やっぱ辞めない!」ってなったりとか。

関東への引っ越しを迷ってたときにイミテーションガールの
"似合わない街に 行こう"
って歌詞を聴いて「引っ越そう!」ってなったりだとか。

ふ 一節一節に影響を受けて自分の人生をその都度変えていった感じですね。

き そうなんですよ。
「絶対彼女」の君も可愛く生きててねって歌詞もあるじゃないですか。
大森さんを聴くまでは化粧もしなければ髪も染めたことなくてコンタクトにしたこともなかったんですけど、その歌詞を踏まえて鏡を見るとコレはひどい!ってなって。笑

ふ 笑 でもそれって人生の中でもすごい転換期ですよね。

き 初めて大森さんを観にベイキャンプに行ったときにチェキ撮ってもらったんですけど、それを見て、大森さんを汚しやがってなんだこのブス死ねばいいのにって思って。
大森さんって可愛い女の子好きじゃないですか。だからこういう女嫌いだろうなって思って、次に大森さんに会うまでにどうにかしなければいけない!って自分を磨くために貯金を注ぎ込みましたね。友達に化粧教えてもらったりとかして。

ふ そのお化粧も相当大きな影響だと思うんですけど、その他にもギターを始められたとか。

き 去年の四月くらいからですかね。
「ハンドメイドホーム」がすごく好きなんですけど、その頃はカラオケに入ってなくて、自分で弾きたいなって思ってたんです。
ギターとは関係なく、冷やかしのつもりで一回ヴォーカルスクールに入ったんですけど、そこの先生から「ギターも習えるよ!」って言われて、やってみようかなって。
大森さんの曲だけをひたすら練習してます。
一日、二・三時間くらいやってるのでそれなりに形になってきて。

ふ 結構ガッツリやってるんですね。

き 発表会みたいなものがあって、一回目は「ハンドメイドホーム」を弾いて、次は「Kitty's blues」を弾きました。
あとそのうちオリジナル曲で大森さんへのラブソングを作りたい!って思って。
 (編集時補足:半分くらい完成したそうです!)

仕事で婚活イベントの司会をしたことがあって、私なんでこんなことやらされてるんだろうって思って。
会場に30分前入りするんですけど、掃除とかすぐ終わっちゃってやることないんで、その待機時間に司会のマイクで一人で大森さんの歌ばっかりひたすら歌いまくる、みたいな。
それを人前で出来るとか、音に乗せて出来るとか素晴らしいなって。

 ふ 元々歌うことが好きだったんですね。

き そうですね。ひたすらストレス発散というか、がなって叫んでみたいな感じでしたけど。
とりあえず何かあったらお昼休みにカラオケに駆け込んで、何食わぬ顔して戻るみたいなことは結構ありました。
それがストレス発散じゃなくてちゃんとモノになるというか、そういう感じに仕上げられるっていうのが素晴らしくてガッツリハマってます。

ふ 聴いてほしい。っていう思いになるんですね。人前でやってみたいっていうのは結構ハードルが高そうですが…。

き あっでも元々演劇で人前に立ってたので。
普段ヒトカラで感情込めまくって歌ってるんで、友達とカラオケに行くとたまに「何かあったの?」って心配されます。だから心配されない場所で歌いたい!っていう思いもあって。笑






~大森さんに好きになってもらえるような人間になることを目標に生きよう~


き 結構こじらせてしまってるので、あんまり大森さんと関わりたくないんですよ…。

ふ おぉ、なんでですか?

認知とかされたくなくて…。
心の中で大森さんを"絶対肯定してくれる何か"みたいな感じに創り上げてしまってるので、そこに人間的な関係が生まれてしまうと嫌われる可能性が出てきちゃうじゃないですか。
実際嫌いなファンがいるみたいなことも昔ブログで書いていて、私のことかな…!ってめちゃくちゃヘコんで、営業の仕事だったんですけど車の中で一人で号泣して、一日仕事サボってたんです。笑
だから大森さんと関わってはいけない!って思っていて。握手会とかも券はもちろん持ってるんですけど、参加しないで帰ってるんですよ。私ごときと関わらないで下さい…みたいな。

ふ それは今もですか。

き 今もです。むしろ始めの内は平気だったんですけど、通いすぎちゃってて、これでは覚えられてしまう!ってふと思って。

ふ あっ、そこは冷静になったんだ。笑

き 冷静になりました。笑
ファンの方ともあんまり関わりたくなくて…ライブを観て良かったって思うポイントって人によって違うじゃないですか。そのライブを友達と行くと感想を言い合わなければいけなくなって、同意出来なかった場合どうすればいいのか分からないっていう。
大森さんに関しては良くなかったものを良かったとは言いたくないし、私がすごい感動しているところを良くなかったって言われたくないし。

ふ なるべく一人で完結させたいと。

き ツイッターとかでこの人はこういう風に思ったんだって見るのは全然いいんですけどね。

ふ あっ、それはいいんですね。

き いや、ただ単に私がコミュ障だっていうのもあるかも知れないです。笑
大森さんに限らずライブを人と行くのがあまり好きじゃなくて、自分で観てその余韻に浸って帰りたいんです。
自分の中で整理してから感想を出したいんですよね。それをその場で誰かと「良かったねー!」とか言ってそれで終わりにしたくないんですよ。その後飲みに行こうとか言われたらもう最悪ですね。笑

ふ あー分かります!そこで薄れる感じがするんですよね。

き そうなんですよ!この感覚を持ち帰りたいのに!

ふ 自分でライブを観て、こうかな?って思ったことを帰りの電車とかでみっちり構築させたいんですよね。

き そうなんですよ。その日の内に喋りたくないなっていう。こじらせてますよね。笑

ふ そのこじらせって抜け出したいなって思うんですか?
このインタビューをしていると抜け出したいっていう人もいたりしたんですが。

き こないだのツアーファイナルのライブで、ちょっとそのこじらせから抜け出して。
「オリオン座」で合唱するってなったときにふざけんじゃねえよって思ったんですよね。笑
ぼっち肯定派じゃなかったの?絶対合唱なんかしてやらない!って思って。
でもなんだかんだライブが素晴らしすぎてそんなことどうでもいいや…ってなっちゃったみたいな。
…まぁ、そうはいっても古参の人とかと仲よさそうにしてるのを目の前で見るのも嫌なんですけど。笑
普通の人間としてファンと対等に接してる大森さんを見たくないんですよね、きっと。

ふ 笑

き 手に届かない神様的なものとして思っちゃってるので、そこで普通の友達みたいな距離感で接してらっしゃるのを見て、何か…なんだろうなぁ、私がそこに入れなくて寂しいっていう感情もありますし。

ふ でも会えなくしてるからこそ、感想を築き上げていくような感覚で大森さんを神として構築していってるわけで…自分でそうしてらっしゃるわけですもんね。

き そうですね。妄想出来る余地を残してほしいっていうのもあります。
ただの人間である大森さんを見たくないという。それって自分でも良くないんだろうなっていう自覚もあるんですけど、でも目を逸らしてしまうというか。

ふ これからも大森さんを追っていくとして、自分の中の大森さん像と現在の大森さん自身との間にギャップが生まれてくる可能性もあると思うんです。

き 今にもどうにかなっちゃいそうな歌を歌ってた人がずっとそんな歌を歌ってたら、
今大丈夫じゃない人はずっと大丈夫じゃないみたいじゃないですか。それは良くないと思いますし…。
周りの人たちと一緒に楽しく幸せになってくれる姿を見せてくれること自体が希望だなって思っていて、
そういう姿に励まされてきたのも事実だし、それはもうどんどん変わっていって下さいって思うところと、聞き分けのきかないワガママなところとが葛藤しているような気分です。
私のこのこじらせは教室の隅っこにいるぼっちがリア充爆発しろって言ってるようなもので。

ふ ちょうど出会った頃の大森さんをそのまま神格化してるイメージなんですかね。

き 神格化してるときがずっと離れているときで、ライブに行くってことが一大イベントだったんですよ。それが急に距離が近付いてしまったもんだから…っていうその差かなって。

ふ でもこれからももちろん変わらず追って行くわけですよね。それって独特の辛さがあるのかなって。

き そうですね…。笑

ふ だって好きだもんね、大森さんのこと。

き 好きなんですよ…!
基本的にあんまり人と上手くやっていけないので、大森さんに近付いたら嫌われちゃうんじゃないかっていう思いが強くて。でも大森さんに嫌われたらマジで生きていけないって思っていて、結果近寄れないみたいな。

ふ まさに触らぬ神に祟りなしという。笑

だから大森さんに好きになってもらえるような人間になることを目標に生きようと思っています。



ふ 最後にお馴染みの、推し曲をお尋ねしているのですが…。

き 一番思い入れがあるのは「ハンドメイドホーム」なんですけど、一番好きなのは「マジックミラー」ですかねぇ。
「マジックミラー」が出た時は本当に私は今底にいるってときに聴いて、うわーってなったんですけど、"私の有名は君の孤独のためだけに光るよ"って凄まじい歌詞だと思うんです。
大森さんに救われているっていうことの全てが表れているような感じがして。

ふ ご自身が人を救っている存在だということを自覚して初めて歌った曲ですよね。

き これを聴くと大森さんがいるんだって思えるというか、ちゃんと生きなければならないというような感じにさせられます。





ふ これがホントに最後になりますが、言い残したこととか言いたいこととかもしあれば…。

き 推し曲っていうか推しアルバムっていう話になるんですけど、今までの私が聴いてきた中で『魔法が使えないなら死にたい』が世界で一番素晴らしいアルバムだと思っていて。
流しているとそれだけで気持ちが落ち着くというか安らぐ感じがするんですよね。一番心が沈んでいるときに心にスッと入ってくるアルバムというか。
大森さんが言ってる「マイナスからゼロに引っ張りあげる」というか、すくい上げてる感じというか。色々抱いてるこの感情があっていいものなんだっていうことを一番示してくれて、人生の一番大切なときに励ましてくれたのがこのアルバムでした。
長々とすみません…。

ふ いえいえ!
こじらせてる私と、でも大森さんが好きっていう私との間で揺れる辛さがすごい面白くて。笑

き ありがとうございます。笑
辛い方向に自らを追い込んでいますからね…。