今回のインタビューはのわさんという"真ん中"の方。その真ん中が何を意味するのかはぜひ本編をご覧下さいまし。


認知。
アイドル現場なんかでよく交わされる言葉だけど、アイドルに関わらずアーティストに認知されるということはファンにとってはそれはそれは大きな喜びなのだ。
でも大森さんはたぶん自然とその先を行っている。

それが"肯定"。
認知をされ、把握をされた上で、肯定される。
面白いじゃんそれ!ありあり!やっちゃえやっちゃえ!頑張れ!と心強く大森さんに直接でもネット上でも声をかけてもらったファンは果たしてどれだけいるのか。
それは大森さん自身のエゴサーチの賜物であり、ファンクラブイベント実験室やリリースイベントに関連した握手会など、接触の機会を絶やさず作ってくれたからこそなのでは。
大森さんファン同士の「売れても変わらないよね…!」って話はだいたいここに通ずるし、結局ありがたいという感謝しか出来ない人間となる。あぁ、合掌。

もちろん音楽を通した肯定とはまた別の話ですが、その"肯定"が一つキーワードになるようなインタビューでした。


ニューアルバム『kitixxxgaia』に至っては、あらゆる大森ファンやもしかしたらアンチの声でさえも認知した上で、楽曲で肯定してみせるやり方をしていて…。とか書いてると長くなりそうだ。


あ、ちなみにこのインタビューは「オリオン座」発売のあたりですけれども…
でも通ずるところがあるんだぞってところは読んでいただければ分かるのではないでしょうか。 


の…のわ さん
ふ…ふじーよしたか(音楽八分目)


ふ ではよろしくお願いします。
まずのわさんがどんな人なのかという話で、差し支えなければご年齢は…

の 30歳は余裕で超えてるんですけど、そこは濁していきたいんです。具体的な年齢はぼやかして生きてるんで。

ふ お仕事は…今日も平日の昼間に合わせていただきましたけれども。

の 普段は結構不規則な休みで。
ざっくり言うと映像関係の仕事なので、不規則な時間に働いてて。がっつり会社に泊まりこんだりもあるかわりに平日昼間に身動きが取れたりもします。

ふ 大森さんの話の前に、音楽は何を聞かれてました?

の 数年前まで音楽を聴いていない時期もあったんですけど、友達に誘われて邦楽ロック、クリープハイプとかからゲスの極み乙女なんかを聴いて。
音楽の趣味だけで言うと、きのこ帝国とかシューゲイザー系の音楽が結構好きで。死んだ僕の彼女とか少女スキップみたいな。本当に好きな音色はそこだったりします。
すごくさかのぼってみると洋楽のコクトー・ツインズとかそういうところから聴いてたりしてたので、本来の音楽の好みと大森さんが重なってるかというと結構違いますね。

ふ でもインタビューしているとそういう方も結構多かったりして。女の人の弾き語りなんて聞いたことなかったっていう。だから不思議ですよね。

の ファンが集まって音楽の話をすると、みんなルーツが全然違って。そこが面白いなって。
ちなみにすごく手前までさかのぼると、小沢健二とか好きだった人なんで。

ふ あれ、世代的に…。

の 実は案外世代だったり。それを言うと歳がバレるんだけど。笑

ふ 濁していきましょう。笑

の 以前だとどちらかと言うと女性ヴォーカルばかり聴いていたときもあって。BONNIE PINKとか、安藤裕子とか。
でもほんとここ最近邦楽は男性ヴォーカルばっかり。andymoriとかそういうのを聴いてたりしてたので、やはり大森さんからはズレてるというか。






ふ 確かにそうですね。そうなるとそこからどうやって知ったかが気になるところですが。

の そもそも音楽の趣味とは別で、可愛いものが好きで。
結局この話にはなるんですけど、姿は一応男だけど可愛いものとか女性的なものがすごい好きだし、たまに女の格好もするんです。
そういう女子的な可愛いが元々好きだった中で、タワレコで『絶対少女』のジャケットを見てすごい!ってなってとりあえず聴いてみたけど、いいなとは思いつつその段階では全くハマってなくて。

ふ 買いはしたんですか?

の 買ってもいないんですよ、視聴して、こんな人いるんだぁ、ふーん。くらいで終わってて。
そのあと間が空いて…「夏の魔物」の動画のニュースを見て。名前は覚えてたけど、あれ、この人こんな過激な感じの人だったの?って。
それで興味持って、ちょっと聴いてみよう、ライブも行ってみたいなぁってなって、結局ワンマンのキネマ倶楽部のチケットを取って。チケット取ったはいいけど、意外と調べたらそれまでにも色々ライブやってんじゃんってなって、初めて行ったのがコピバン。
 (2014年9月新宿ロフトで開催された、コピバン祭。全バンドのヴォーカルを大森さんが歌った)

ふ そこからなんですね。笑

の そうそう。聴いてた音楽の中に凛として時雨もあったから、コピバンでピ様(凛として時雨Dr.ピエール中野)も出るじゃん、一緒に見れるならちょうど良い!ってなって。
大森さん自体をそんなに詳しくないからむしろ色んな曲をやってくれるコピバンの方が入りやすいなって。

ふ あーそうですね!確かに。

の そしてそれからキネマ倶楽部で見て、やっぱり可愛い系な世界観で、良いなーって思いながら、でも女の子に向けた音楽を作ってる人だなぁって。ターゲットとしてハマる人たちも女の子たちで、毒々しい女の子自身の世界をちゃんと築き上げてて。
素敵だけどその段階ではちょっと疎外感が…それを眺めることは出来ても自分はその輪の中にはいないっていう、その距離感が結構もどかしくてハマりきれないというか。

ふ うんうん、分かります。ちょうど『絶対少女』のときは女の子を全肯定するような内容で。

の そう。だからすごく可愛いけど、その可愛いをいいなとは思うけど自分のものではないっていう距離を感じながら聴いていて。
でもそう言いつつも『洗脳』とかのリリイベに行き出して。渋谷のリリイベに行ったときに、比較的整理番号が良くて前の方で座って見てたら、大森さんがズカズカ客席入ってきてしゃがみこんで、顔10cmくらいのところで歌われたんですよ。
わぁーっ!てなって。こういう状況があるから魔物的なことも起こりうるんだなと思いつつ。笑
そのときも過激なパフォーマンスの延長線的な感じに思ったんだけど、その後握手会したときに初めて接触して。
たまたま抽選で整理番号良かったから前の方にいただけなんだけど、握手しに行ったときに「すごい前の方で見ててくれたよね、早くから来てくれたんだね、ありがとう!」って言われて。
本当にさっきの状況を認識した上で話しかけてるし、この人こんなに優しいんだ!って思って。そのギャップにまず持ってかれた感はあります。



~真ん中の人~


の 初接触でこんな感じで、その振れ幅すごいなぁって。
でも興味を持ってる自分と、かたやそこで構築されているものは自分のものではない、すごい好きだけどなんか遠いっていう感じで。
でもその後「マジックミラー」が出て、「マジックミラー」のPVに女の子だけじゃなくてオネエ的な人も出ていて、歌詞的にも全方位的にみんなの鏡っていう歌詞になっていて。

ふ はい、明確に変わってきたところでしたよね。

の 女の子だけじゃなくて色んなものを拾ってくれようとしている。大森さんの世界の輪の中に入れないと思ってたのに、自分も含めて入れてくれようとしてるっていうのがすごく嬉しくて。そこで自分の意識としてグッと近づいて。


 



の その中で、くだらないんだけどどうしても引っかかることがあって。実際年齢的にはおっさんだけど自分で自分をおっさんだとは認めたくなくて。でも女の子でもないから、「絶対彼女」のコール&レスポンスで、女子!って言われても歌えないし、おっさん!って言われたら一応乗るけど、でもおっさんはやだなぁってずっとそこに抵抗があって。笑
そんなわだかまりをずっと持ってたら、大森さんが「どっちでもない人、女の子でもおっさんでもない人もいるよね、そういう人のことなんて言えばいいんだろ、柔らかい言い方すればいいのにね、雪の宿とか。」みたいな話を一度したことがあって。その話が出たときに本当に嬉しくて。

ふ うんうん、拾ってくれてるんですね、まさに。

の そうそう。そのときの握手会で、「たまに女の子の格好とかもするから、それって真ん中の人ですよね?」って訊いたら「うん、真ん中の人!」って言ってくれて。どっちでもないっていうことを公式に認めてくれた!って思って。

ふ いちファンとしてそういう存在がいるっていうことを。

の そうやって真ん中の人って大森さんが言ってくれたのはすごい嬉しくて。
その後、たまに大森さんがコール&レスポンスをやったときに「それ以外の人!」ってやってくれるようになったときに、僕は声を張って歌うっていう。

ふ うわー、いい私信ですね!

の 本当に明確だったのが、白シャツイベントがロフトであったときに、僕直前に人間関係的なごたごたがあって完全に心が病んでて。
それこそふえーんっていうDMを大森さんに送ってたんです。そしたら「頑張りな、私も応援するから」みたいな返信が来て。
白シャツイベントは整理番号1番だったから最前ど真ん中で観れて。「絶対彼女」のコール&レスポンスの時に「それ以外の人!」ってやってマイクをくれたんです、受け取ったものの一人でマイク持って歌ってたら…もう…嬉しくて、本当に感極まって…(涙目で)話しててもこうなるけど。笑
結局最終的に泣いちゃって歌えなくなって。自分でもあんまり分かってなかったけど周りいわく、歌えなくなってる僕の頭を大森さんが撫でてくれてたらしくて。

ふ あー、自分はもう真っ白になってたんですね。笑

の 分かんないのもう!笑 うえーん!ってなってたから。もうねえ……母かっていう。笑

ふ 母か。笑

の そういうことがあってこんなにもこの人は全員を拾おうとしてくれてるんだっていうのがたまらなくて。

ふ 先ほどの疎外感を感じていたところからの距離の縮まり具合がすごいですね。巻き込まれたというか。

の ただでさえ他のアーティストのライブなんて行ったところで、あくまで主役がいてそれを眺める側でしかないのが、大森さんは本当にゼロ距離のところで接してくれてるっていうか。
どっちでもなかったもう一つの無かった枠を、ちゃんと用意してくれてたりして、そういう人も許容してくれて。
その広さに完全にやられて。とにかく、その白シャツイベントがあってからもう何の迷いもなく一生付いて行こうと。



~音楽も含めて、現場で築き上げてきた「人」も含めて、大森さんが作ってきた世界観~


の 前の少女少女した世界も可愛くて良かったし、それが好きではあったけどそれだけじゃなくて輪を広げてさらに大きい輪の中でみんなを受けとめようとしてくれてっていう、そうやって大きくなっていこうっていうやり方がすごく好きで。

ふ そのエピソード一つ取ってもそうですけど、まさに一人一人を捕まえて救っている感じはありますよね。

の その後実験室とか行って話してて、今度一回リリイベとか女の子の格好で行くねって言ったら「ぜひ来て来てー!」って言ってくれて。
ちょうど一年前くらいかなぁ。それで本当にがっつり女の子の格好をしていったら、靖子ちゃん大爆笑で。笑
「気付かなかったー!すげー!」って。

ふ すごい。笑
まず最初にそういうことしてるってカミングアウトするのも、一つのハードルだったと思うんですけど、大森さんに対してはあっさりそれを超えていく感じがあったんですかね。

の 真ん中の人の話をしてくれたから自分のことを言ってみようと思えて言えたし、それを「そうそう!」って言ってくれたから、この人は本当に許容する人だし、むしろそれを楽しんでくれる人だなって。

ふ やっぱりそこから変わっていった感じがありますね。

の そうそう、本当にそう。
「かけがえのないマグマ」が出たとき、サイン会があってそのときちょうど誕生日だったんですよ。
それを伝えたら小声でハッピーバースデーをちょっと歌ってくれたりとかして、それだけでも嬉しかったんだけど、そこにサインを書いたときに「お互いババアにならないように歳とろうね」って書いてあって。
どっちかっていうと、女の子になりたくてなれなかった人だから女の子に近しい扱いをちゃんとしてくれて…ある意味ただの承認欲求なのかも知れないけど、人として認識してくれるどころかその自分のパーソナルを認めてくれて。

ふ 認識のさらにその先の肯定がありますよね。

の そうそう。ありたい自分をそのまま喜んで受け入れてくれて。

ふ それもいいじゃん、面白いじゃん、みたいに楽しんでくれて。

の そういう意味で曲で言うと「マジックミラー」で、自分も大森さんの世界に入っていけるんだなぁって思えて。
自分の中では「マジックミラー」以前と以後ですごく見え方が違って。
それまでは好きな世界を眺めてるだけだったのが、そこからは大森さんの世界の中に本当に自分も居ていいんだっていう。

ふ 最初は人となりから入っていった感じなんですね。そこからちょっとずつ追いかけていくにつれて「マジックミラー」が出て。

の そう。可愛い世界観は好きだけど、それを眺めるだけで終わらなかったのは、人としての大森靖子に接した結果で、ここまでハマってるのも大森さんの人となりと接して来れたところかなあと。

ふ 結構そこからライブにはちょこちょこ行ってらっしゃる。

の そう。基本的に行けるものは端から行って。
でも遠征って初めてだったんです。それまでは大森さん都内でも見られるし、みんな秋田とかまでわざわざよく行くなぁくらいに思ってたんだけど、もう行きたくてしょうがない。笑

ふ 笑

の 実験室とかツイッターもあるから、大森さんのファンのみなさんと仲良くなって。そうなってくると大森さんを観に行くのとみんなでワイワイするのとセットになって。
だから遠征に行ける人たちで向こうで会って、年齢も性別もばらばらな人たちが「大森さんいいよねー」とか「ライブ良かったよねー」とか言うのがもうすごい気持ち良くて。

そういった意味で、遠征とか行ってこれだけがっつりハマって…ってなった理由は、ファンの人がみんな良い人だから。嫌な人はほぼ会ったことがない。
昔から現場にいる人たちも自分は長いんだとかそんな感じじゃなくて、すごいウェルカムな姿勢で。そういう人たちがみんなで応援していて、すごいなあって。
だからそれもひとえに大森さんがファンの育て方がすごい上手いんだろうなぁって。
自分がそうやって大森さんにハマって吸収されているように、この先入ってきた人たちにも優しくしようって思うし、そうやってどんどん広がっていけばいいと思う。
結果自分がハマっているのは音楽も含めて、現場で築き上げてきた「人」も含めて、大森さんが作ってきた世界観で。

ふ 大森靖子の作り出してきたものは音源だけじゃないよっていうことですよね。

の ライブでの音楽の良さはそこにある空気も含めてのものだし、そういう大森さんとそれを取り巻く世界が心地よくて。
実際、女の子の格好してイベントに行って「すごい!かわいい!」とか、どっちかというとチヤホヤしてもらったりして。そういうことを許容出来るタイプの人たちが結果的に集まっていることもやっぱりすごいなって。
元々好きな音楽とかが全然違う人たちが、大森さんを好き!っていうその一点で集まっていて、それが優しくて心の広い集まりになっているのがとてつもなく心地良くて。
一番最初に言ったとおり、元々好きな音楽性とは全然ズレていて、なのにこんなに夢中で見てる自分がいて、そこに関してはまだ自分もよく分かってなくて…なんでこんなに惹きつけられてるんだろうって。

ふ 音楽だけだったらこんなになってないですからね、きっと。

の 弾き語りのときも気がついたら泣いてたりするし、この力ってなんなんだろうっていう。
そしてあの人は何をやりだすか分かんないところがいつもあって、基本的には思ってる斜め上のところを行ってくれるところも面白くて、その飽きさせなさがたまらなくって。笑



~すごくすごく人間なのに~


の すごく私信めいたライブもあれば、「今すごい私信を貰って誰かが喜んでるんだよね」って思ったり。それが例えばハゲだったりとかして。笑

ふ 私信をばら撒いてますからね。笑

の いろんな形の愛を持った人だから、一人一人が求めるような愛を全力で全方位で表現していて、振れ幅の中のいろんな許容の仕方があって。
そこに無理を感じさせない。
あれは多分ひとえに大森さんがドルヲタだから、人はどうされたら嬉しいかとか、自分がそうやってきたから得たものなのかなぁって思って。
基本的に大森さんって天然な天才とは思ってないから、いろんなことを綿密にリサーチしてるんだろうけど、それを普通に観せちゃう。それが心地いいし、だから完全勝利だよなぁって。笑

ふ そうですね、その綿密さを出す部分と出さない部分の境目がすごく上手ですよね。

の とはいえ、今日はノらなかったのかなって思うライブもないわけじゃないし、でもだからと言ってそのあとで接触があったらそんなの微塵も見せなかったりして。
たまに鬱ツイートが流れるように、本当に大森さん自身だって人の子で、いろんなことがあっていろんなストレスを抱えてやってるのは分かるから、「この人、人じゃないんじゃね?」みたいには思わなくって。
すごくすごく人間なのに、とにかくみんなの鏡になろうとしてやってて、実際それをし得てるところにただただ尊敬というか。

ふ 「マジックミラー」の歌詞じゃないですけど、いろんな人のいろんなものをピックアップして、それも含めて大森靖子を新しく構成しているような感じがします。
歌っている大森靖子と普段の大森靖子は別だっていう話もしていましたし。

の だから色々な人とコラボして色々な大森靖子を見せてるんだと思うし、ファンの人も増えてきて、その人たちへの接し方で変わっている部分もあると思うし…。っていう中に自分も組み込まれていることへの楽しさとか嬉しさとかも。

ふ もしかしたら「オリオン座」とかで同じような経験をなされる方もいらっしゃるかも知れないですよね。どんどん円が広がっていって、これあたしのことかも!みたいに思ってる人がじわじわ増えていって。

の そうやって輪が大きくなってるのに、誰も捨てないで拾ったものをちゃんと掴み続けていて、ただただ感心と感動しかない。
僕自身で言うなら、女の子でもおっさんでもないそれ以外の人物、真ん中な人をちゃんと捕まえてきてくれたことに対する感謝しかない。
だからひたすら応援しよう!っていう。笑

ふ そうですね、結局はそこに行き着きますよね。笑

の もう自分は十分救われてるから、あとは一生大森!で応援していこうっていう腹をくくった感じです。笑



~どこにでもちゃんと現れて、みんなのそばにいる~


ふ 自分自身でも周りの人にその輪を広げたいって思います?

の うーん…そこは個人的なレベルで言うとやっぱり真ん中の人的なことを話せるかどうかが…。
会社の人には全く素ぶりも見せてないんです。日常的な部分で女の子の格好をするっていうような話をする人間としない人間がまず自分の中で線引きがあるから。
良くも悪くもそこが自分の世界になってるから、その世界を見せられる人かどうかで勧められるかどうかが必然的に出ちゃって。
本当はみんなに大森さん良いよ!って言いたいんだけど…そもそも自分のツイッターアカウントが晒せられるかどうかっていう話になっちゃうので。
もし会社に入ってきた若い子が大森靖子好きなんですよって言ったらヤバイなって思っちゃう。そのときはどっかの奥に連れてって「お前黙っとけよ」って言うしかなくなっちゃうんだけど。笑

ふ どんどん輪が広がってるからあり得るかも知れないですもんね。笑

の そうそう。笑

ふ でもそれくらい大森さんの界隈には自分のことを出せてるってことですもんね。良い言い方をすれば。

の そう、それは本当に。ただ個人的にはそういう悩ましい問題が。笑
でももちろん売れてほしいですけどね。

ふ 大森さんとかファンの方とかの交流があって、そこから自分自身で変わっていったこととかってあったりしますか?
あのきっかけがなかったら今こうじゃないなみたいな。

の 本当に一番大きいのは遠征です。
どっちかというとインドアで出不精の人だから、一人で飛行機とか初めて乗ってるし、とにかくアクティブになった。間違いなく。
秋田も広島も名古屋も、自分の人生の中で八丈島とかも一生行く気もなかったし。そんなところにフラッと行くような。笑

ふ あぁ、本当にそうですよね。笑

の 一番大きく変わったのはそこかなぁ。
フラッと遠くに出かけることに対する抵抗感どころか楽しい、旅楽しい!みたいな。
そういう楽しみ方って自分の人生の中には無かったかなぁ。

ふ もう何十年とか経って自分を振り返ってたとしても、きっと大きな出来事ですよね。

の そう。今までなかった行動の原動力になってもらえてるから。
人生の経験とか幅を広げてもらってるかなぁ。

あと、基本的に服装とかも察する人は察してくれって感じで中間地点のゆるい感じでやってるんだけど、好きな色が緑色で昔から緑のものを身に付けてるんですよ。それって男でも許されてでも可愛いというか、自分のギリギリを攻めてる中間点が緑色で。
でも可愛いものってピンク色がやっぱり多い。そしてそれは自分が持っても合わないっていう壁があって、ピンクは拒絶し続けていて。
でも大森さんはピンク好きだからグッズでピンクのものを持つことによって、可愛いもの、ピンク色に抵抗が無くなってきて。

ふ 元々ピンク色に惹かれてはいたけど、ってことですよね。

の そうそう。持ちたいけど似合わないしっていうものだったんだけど、結果的にピンクの入った服とかピンク色のものを所有することの抵抗が無くなって、可愛い色を纏うことに対して好きならいいじゃんって思うようになって。
わかりやすい可愛いカテゴリに対して無駄に抵抗していた自分の壁を無くしてくれた。
遠征でいろいろ行くようになったっていうのが、物理的な変化だとしたら、ピンクは内面的な変化として自分の中では大きい変化かなぁ。





の 最近ツイートでもよく使うけど、本当に靖子ちゃんの全方位型感が本当にすごい。
ツイッターとかでもDM解放してて、ちゃんとフォロー返してたりするでしょう。

ふ 凄いですよねぇ。単純にファンのことが知りたいっていうそれだけなんでしょうけど、それだけでも十分救われているような人もいっぱいいて。

の そういう自分の好奇心とかを結果クリエイティブな良い方向にいろんな思いとか気持ちとして繋いでくれる人だなぁって思う。
実験室とかのチェキ会を見てても、本当に一人一人に対してそれぞれの話してるし、よくこんだけ人のこと覚えてるなぁって。
メジャーデビューしてもただ輪が大きくなっただけで。

ふ 輪が大きいのに、中心にはいないというか。どこにでもいる、みたいな。笑

の そう。どこにでもちゃんと現れて、みんなのそばにいる。あんな人見たことないですよ。笑
でもステージに立って歌ったときの輝きが半端じゃない。近寄りがたいスターっていう瞬間も持ってるのに、ただのご近所さんレベルでここにいる人であったりもする。笑




の さすがにそろそろシメだと思うんだけど、一番の曲に関してはもう「マジックミラー」で、そこは。

ふ うん、そうですね!これまでの話の流れから言っても間違いないです。

の 大森さんがわかりやすく世界を広げてみんなを受けとめようとしてくれたことで許されたのは大きいかな。

ふ 大森さんもいろんなことを許して、というか「それも面白いじゃん!やっちゃえやっちゃえ!」ってやってきたからこそで。笑
それでファンの教育も…みたいな。笑

の そう、本当に。ファンの教育が為されてるおかげで僕もここにたどり着いてるような。笑

ふ それではこんな感じで…。
もし何か…喋り足りないところとかはありませんか?

の いやもう僕は喋りたいことひたすら喋らせてもらっただけなので。笑

ふ そういう趣旨ですから。笑
こういうみんなの想いを集めると…きっと面白いことになるんです。人力「マジックミラー」みたいなもので。笑

の 一人のアーティストの曲なのに、みんなの頭の中はそれぞれだし、一言で言えば「大森さん好き!」とか「大森さん最高!」になるんだけど、その内側はみんな色々な想いだろうねぇ。笑

ふ そこに至るまでの理由が面白くて。
なぜ好きになったのかっていうのは、その人の人生に密接に関わってくることが多いですね。他のアーティストではこんなことにならないはずなんですよ。

の ぜひみなさんの思いを掬い上げてください。楽しみに待ってます。

ふ ありがとうございます。
それでは、本日はありがとうございました!