あけましておめでとうございました!
公私ともにばたばたした一年で、なかなかブログの更新に至らなかったですが、年末から「大森靖子ファンインタビュー」を始動させました。
僕はめちゃくちゃ面白いです、この企画。よしなに。
ん?邦楽インディーズレコメンドブログ?だんだん原型を留めなくなってきたような?
さて、今回もこのタイミングで音源ベスト記事です。
果たして今年はこれを超えるのか…?って思いながら毎年更新しておりますが、性懲りもなく新たな名盤に結局出会えるのは本当に嬉しくて仕方ありません。音楽ってすごいすね。
今年も昨年同様10枚です。 順不同です。
!注意!
・邦楽に限りました(もしかしたら今年は洋楽を買っていないかも)。但し、インディーズ、メジャーは問いません。
結局、ほとんどインディーズだったわけで。
・順不同です。
・シングルもアルバムもひっくるめます。
フジロッ久(仮)
「超ライブ」
なんでもしようぜ!とんでもないことは起こり得る!
ピアノと語りで構成されたアルバム幕開けの口上、「ライフ」の結び。このアルバムを象徴するような金言。
とにかく愛を持ってハッピーに生きるべしというメッセージがそこかしこから伝わってくる!
その辺りはMVの「ワナワナ!」 を聴いてもらっても分かるだろう。
人間が持つパワー 前例はなかった
人間が持つパワー 前例はなかった
見つけた 気付けた どうなってみたい?に
Vo./Gt.藤原亮とVo.(ことパッションモンスター)高橋元希、それぞれが歌詞を書くことによって、そんなハッピーを様々な方向から切り取ったような楽曲ばかり。
全速力で邁進するような底抜け明るいポップスの中、印象的だったのは人とご飯を食べる楽しさや幸福を描いた「ごはんのテーマ」というスローバラード。BPMの速い楽曲が多い中、これは一小節ずつ熱い味噌汁みたいに体に染み込んでくる。
人それぞれのハッピーがあるからこそ、誰も気にしないような日常の些細なこともハッピーになりうる。
メンバーの脱退が相次いだ昨年。12月26日のライブをもってついにヴォーカルとドラムの二人体制となった彼ら。この逆境こそ音楽で跳ねのけてほしいだなんて、身勝手に考えてしまう。
全速力で邁進するような底抜け明るいポップスの中、印象的だったのは人とご飯を食べる楽しさや幸福を描いた「ごはんのテーマ」というスローバラード。BPMの速い楽曲が多い中、これは一小節ずつ熱い味噌汁みたいに体に染み込んでくる。
人それぞれのハッピーがあるからこそ、誰も気にしないような日常の些細なこともハッピーになりうる。
メンバーの脱退が相次いだ昨年。12月26日のライブをもってついにヴォーカルとドラムの二人体制となった彼ら。この逆境こそ音楽で跳ねのけてほしいだなんて、身勝手に考えてしまう。
大森靖子
「ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER」
メジャー1stフルアルバム『TOKYO BLACK HOLE』をベストに上げている方もちらほらみたのだけれど、僕はこっち。
ワンダーロマンス三連福と題して、アルバム発売後に三枚の両A面シングルをリリースしており、これはその第一弾。
「逃げることへの肯定」をキーワードにリリースを続けてきたシングル三枚だけれど、これやっぱり曲が良くてですね…。
「ピンクメトセラ」のトラックを担当しているサクライケンタ。もはや彼節とも言える変拍子の抑制と四拍子の解放が、鬱屈した感情をそのまんま解き放ってくれる活力になってくれる。
彼のトラックにはイノセントな印象を受けませんかね、純真無垢というか。
そこに大森さんの情念がこもると、途端にその感情を加速させるように聴こえるから不思議。白だから染まりやすいということかなぁ。
あの(ゆるめるモ!)ちゃんをゲストヴォーカルに迎えた、「勹″ッと<るSUMMER」はサザンオールスターズ的ぶっ飛びサマーソング。ツインヴォーカルでのかけ合いや語りが入ったりと緩急怒涛の展開が魅力的。
夏がこんなに夏なんて!
個人的にはアウトロであのちゃんが語り出す直前、淀んだところから這い上がってくるようなギター、それを後押しするドラムフィルが大好きです。
Ring Ring Lonely Rollss
「Chemical」
昨年のベストでも前作「goodnight Bohemians」を挙げさせてもらって、そこでは《このバンドに出会えて良かった!という感情を今年は抱けるのだろうか》と書いていたのだけど、いざ振り返ってみるとむしろそれをリンリンが更新してくれたと思っている。
彼らの特徴と言える分厚いコーラスが、壮大にエキゾチックに轟く。
このアルバムへの愛の諸々はブログの記事でも書いております。
【DISC】 Ring Ring Lonely Rollss「Chemical」
昨年は渋谷WWWでのライブが印象的だった。高い天井と楽曲のスケール感がよく合う…が、もはや天井なんていらん!野外フェスで見せてくれ!
今年も懲りずに言おう、この音楽が売れないのならば俺は音楽業界を信じない。
今年も懲りずに言おう、この音楽が売れないのならば俺は音楽業界を信じない。
Have a Nice Day!
「Anthem for Living Dead」
彼らの衝撃的なライブは何回も見てきたけど、音源をしっかりと聴いたことは正直無かった。
持ってはいたものの、音源のローなテンションとライブの熱量とのギャップに、ライブの方がいいじゃんと感じていたのである。
持ってはいたものの、音源のローなテンションとライブの熱量とのギャップに、ライブの方がいいじゃんと感じていたのである。
それを全てひっくり返したのが、「Blood on the mosh pit」だった。
ライブの熱量とは全く違う魅力があった!
耳に残るメロディ、サンプリングのキャッチーさ(元ネタが職場の有線で流れてめちゃくちゃ驚いたのを思い出した)、そして彼らそのものを表したロマンチックな歌詞。それはそのままハバナイというバンドの生き様のように思える。
ドゥビドゥバドゥー
寄せては返すNEW WAVE
でヘヴンとヘルをクラウドサーフ
ドゥビドゥバドゥー
騒いでる ロクデナシたちの汚れた海で
騒いでる ロクデナシたちの汚れた海で
彼らのライブを見たことがあるならば思い出すことが出来るだろう。
男も女もぐちゃぐちゃになってどうしようもない顔面でステージに向かって合唱している奴らと、同じくクソ不細工なツラでその上をサーフする野郎どもの最高に気持ち良さそうで、最高に幸せそうな光景。
もしその光景を想像できなければ、MVやライブ映像を観るといい。こんな光景が東京の地下にはある。
そして再生ボタンを押すだけでは決してたどり着くことの出来ない幸福が世の中にはあるということも分かるだろう。
もしその光景を想像できなければ、MVやライブ映像を観るといい。こんな光景が東京の地下にはある。
そして再生ボタンを押すだけでは決してたどり着くことの出来ない幸福が世の中にはあるということも分かるだろう。
最後になったけど、オレの曲は誰が歌ってもイケてる。ようするにパブリックドメインな世界の名だたる絵画と同じだ。良い曲が作れないヤツはHave a Nice Day!の曲をカバーするといいぜ。お前の薄っぺらい自我になんか誰も興味ないんだからさ。
(べスト盤リリースに寄せた、Vo.浅見北斗のメッセージ)
CHAI
「ほったらかシリーズ」
目指すは世界第三位!NEOかわいい、ニューエキゾチックオンナバンド(NEO)を自称する四人組ガールズバンド。
なーんてユルいのは雰囲気だけだった。演奏も歌の乗せかたもバキバキと隙の無いグルーヴ。第一印象のエンタメ性に油断しているとその演奏技術に圧倒される。
ブログでも書かせてもらいました。
【DISC】 CHAI 「ほったらかシリーズ」
MVを一曲挙げておくけど、この楽曲を最初ライブで聴いて音源を買うことにしたのだ。へんてこなのにドラマチックに決めてくる「ぴーちくぱーちくきゅーちく」、中毒性が凄まじい!
ライブ会場と店舗限定発売だったこの音源も全国流通で改めて発売され、バンド自体の突出したキャラクターも相まって今年また一段上のステージに行くのではと思っている。
Magic,Drums & Love
「Love De lux」
ガールズバンド住所不定無職のメンバーらが在籍する、ディスコファンクバンド。
メンバー個々のキャラクター性がそれぞれ突出していて、まるで米米CLUBみたいな存在感。そしてそれがそのままプレイにも表れているようなパワフルかつグルーヴィーな楽曲ばかり!
Earth,Wind&Fireへのオマージュとリスペクトが炸裂する「Fly me to da moon」をはじめ、そこかしこに点在する愛の溢れる小ネタにおぉっと思わされることもしばしば。
昨年のタンブラーの楽曲ベストでも挙げた「フシギ"TONIGHT"」も、冒頭のシンセの音作りからしてたまりませんよね。
壊れかけのテープレコーダーズ
「Silent Sunrise」
ついに5枚目のフルアルバム!
リリースのたびにガラリと違う魅力を提示してくれる彼ら。アルバムを追って聴いてみると人間の移り変わりを見ているかのようだ。そして何かを更新し続けるというのは本当に凄いこと。
今作では、ギターを一発ギャーン!と鳴らす圧のあるロックンロールから少し離れ、最低限の音の羅列をバンドアンサンブルで組み上げて楽曲を仕上げていくパズルのような緻密さ。
そうやって無駄な音を省くことによって、結局浮かび上がってきたのは歌やメロディの良さという。
そして明確に希望を歌うことが増えたように思う。
どこへでも行けばいいという歌詞が背中を押してくれるような「go to」から始まり、人との別れがあれどもまた日が昇ると前向きに綴る「rising sun」でシメるという。
これまでの音源同様、やはりアルバムとしての作品性を強く感じた一枚であった。聴き終わったあと、ふとアルバムタイトルを見ると…なんだかじーんと来るものがあるのだ。
これまでの音源同様、やはりアルバムとしての作品性を強く感じた一枚であった。聴き終わったあと、ふとアルバムタイトルを見ると…なんだかじーんと来るものがあるのだ。
Dr.440の脱退をきっかけに活動休止が発表されたばかりの壊れかけ。10年活動を続けてきた彼らに限って…!と思っていたけれど、このアルバムが最新の作品として残ること自体、なんらかの希望のように思えて仕方ない。
静かに、でも確かに、太陽は昇る。
THEラブ人間
「メケメケ」
新体制6人組では満を持しての初フルアルバム。
これまでのミニアルバムに収録されていた「クリームソーダ」や「コント」などフリッパーズっぽさのある浮き立つようなコーラスが多用されたりと、別れ話も惚気話もポジティブな明るさに吹っ切った楽曲が多かった。
まさに、「それが何?」「どうってことないさ」なんて意味を持つメケメケというタイトルにも表れているよう。
まさに、「それが何?」「どうってことないさ」なんて意味を持つメケメケというタイトルにも表れているよう。
前述した楽曲をはじめ「GOOD BYE CITY」や「幸せのゴミ箱」などなど軽快な楽曲が多い中、「気分を出してもう一度」の暑苦しい熱量もたまらない。
彼らも昨年末でベースとドラムが脱退してしまったものの、早速サポートメンバーをトピックスにして、スタートダッシュを切っている。
とにかくメンバー全員で突っ走る、青春の真っ只中のような眩しさをいつまでも見せてくれるバンドであることに今も変わりない。
渡會将士
「マスターオブライフ」
おそらく昨年で一番聴いた一枚。これかリンリンかで良い勝負ってところでしょうかね。
FoZZtoneの活動休止を経て、形態とユニット名をとっかえひっかえライブをしていた印象だけど、ごくごく少数しか発売してこなかった3枚ほどのソロ音源の中の楽曲+新曲を全てレコーディングし直して仕上げた、ベスト盤と言える一枚。
自身がアメリカ旅行に行っていたこともあって、フェイクを交えたフリーキーな歌にアメリカの風景が歌詞とともに混ざる。日本人離れしたセンスとアレンジはもはやFoZZtoneの頃とは全く別のベクトルに向かっており、ロックからソウルやブルースへと変化したような。そしてそれが彼の歌声に合うんだこれが。
自身がアメリカ旅行に行っていたこともあって、フェイクを交えたフリーキーな歌にアメリカの風景が歌詞とともに混ざる。日本人離れしたセンスとアレンジはもはやFoZZtoneの頃とは全く別のベクトルに向かっており、ロックからソウルやブルースへと変化したような。そしてそれが彼の歌声に合うんだこれが。
前に向かうから 胸の穴に風が吹く
だけどヒッピーぶって揚々と この国にやってきた
あの娘の名前も 神様も知らない
メインストリートは人 人 人
みんなハッピー1つ探してすれ違う
(vernal times)
しれっと発売してしれっと完売してを繰り返してましたが、今ならもう在庫あるでしょう。タワレコ新宿にしか売ってなかったような、、
それにしてもなんかMVかトレイラーくらい作ってくれてもいいじゃないか!宣伝しづらいよ!
YouTubeには誰かが上げた過去の音源があるのですが、非公式ですしアレンジや音質が段違いなので載せません。くそう。
さんざん歌詞がどうとか言ってきたけど、このアルバムを挙げたのは完全に音だけの魅力。
Violent Magic Orchestra、本家のあの有名ユニットとは似ても似つかぬブラックメタル×クラフトワークという音楽性。
とにもかくにも暴力的な音作りは音源でも顕在。歪ませるというか、もはや潰したようなドラムトラックが最高に気持ち良くて、とにかく大音量で聴くのをおすすめする。
そしてノイズの中に、讃美歌のように清らかなメロディが潜むことに気づくだろう。そして、いつの間にか泣けてくる。
気色悪くてカッコいいMVが公開されてたので、載せておく。
ちなみにライブでは照明は全て落とし、「スモークマシン+ストロボ+VJ」だけという視覚効果で、世界で一番美しいモッシュピットを見ることが出来る。
ちなみにライブでは照明は全て落とし、「スモークマシン+ストロボ+VJ」だけという視覚効果で、世界で一番美しいモッシュピットを見ることが出来る。
以上10枚のラインナップでした。
去年のベスト記事を見てると、岡崎体育をめちゃくちゃ推しててすごく面白かったり。
毎年毎年振り替えってみると流れがちゃんとあって興味深いのですが、ブラックミュージックを基調とした…というキーワードを持つバンドが急に増えてきましたね。
D.A.N.とかSuchmosとか星野源とか、飛びぬける方々が出てくるとそこに追随していく感じなんでしょうが、みんな口を揃えて昔からやりたかった音楽みたいなことを言ってるの面白いです。
正直どれもブラックミュージックがバンドの基礎としてあるだけで、そこにもう一つ他と違う個性が欲しいなっていうバンドばかりでした。
唯一音源を上げられていませんが、渡會さんくらいの卓越した歌心かアレンジ力が欲しいところかなぁと…。
個人的に今回挙げた10枚、どれにも共通して耳に残るグッドメロディが存在してまして。
ジャンルとかBPMとか問わず、メロディこそ楽曲の強度なんじゃないかと最近思っております。
口ずさんでしまわせれば勝ち。頭の奥で気付いたら流れているようにさせたら勝ち。
そこには抗えない。だって覚えちゃってるんだもんね。
とりあえず、フィジカルとしての音源のベストはこれにて!
また昨年同様、タンブラー「Ongaku Wankosoba」内のMVベストも近々公開予定です。
今月もファンインタビューは随時更新していく所存でございます。
大森さんだらけにならないようにしなきゃなと思いつつ、さてどうなるやら……。
長くなっちった。それでは!
ふじーよしたか(音楽八分目/Ongaku Wankosoba)
@fj_pg_yochi
毎年毎年振り替えってみると流れがちゃんとあって興味深いのですが、ブラックミュージックを基調とした…というキーワードを持つバンドが急に増えてきましたね。
D.A.N.とかSuchmosとか星野源とか、飛びぬける方々が出てくるとそこに追随していく感じなんでしょうが、みんな口を揃えて昔からやりたかった音楽みたいなことを言ってるの面白いです。
正直どれもブラックミュージックがバンドの基礎としてあるだけで、そこにもう一つ他と違う個性が欲しいなっていうバンドばかりでした。
唯一音源を上げられていませんが、渡會さんくらいの卓越した歌心かアレンジ力が欲しいところかなぁと…。
個人的に今回挙げた10枚、どれにも共通して耳に残るグッドメロディが存在してまして。
ジャンルとかBPMとか問わず、メロディこそ楽曲の強度なんじゃないかと最近思っております。
口ずさんでしまわせれば勝ち。頭の奥で気付いたら流れているようにさせたら勝ち。
そこには抗えない。だって覚えちゃってるんだもんね。
とりあえず、フィジカルとしての音源のベストはこれにて!
また昨年同様、タンブラー「Ongaku Wankosoba」内のMVベストも近々公開予定です。
今月もファンインタビューは随時更新していく所存でございます。
大森さんだらけにならないようにしなきゃなと思いつつ、さてどうなるやら……。
長くなっちった。それでは!
ふじーよしたか(音楽八分目/Ongaku Wankosoba)
o.hachibunme@gmail.com