コンプレックスをカッコいい音楽に昇華させてしまいつつ、ユーモアも欠かさない。
四人組ガールズバンドが奏でるこれは、音楽を通じたポップアートだ!


CD表紙_03


今回ご紹介したいのはニュー・エキサイト・オンナバンド(NEO)を自称するガールズバンドCHAIについて。ちゃい。
早速公式HPから引用させていただく。
 
新しい価値観『NEOカワイイ』で今までの「カワイイ」の価値観を覆し、
CHAIは無敵の世界3位になるよ。


もうすでに一癖ありそうなこの感じ。


CHAIは名古屋を中心に関東・関西と股にかけて活動する四人組ツインボーカルバンド。しかもツインボーカルの二人は姉妹。Vo./Key.マナと、Vo./Gt.のカナ。
この時点で情報が濃い、濃いぞ。


この度、8月24日に全国(全世界)配信が決定した彼女たちの5曲入り1stEP【ほったらかシリーズ】について書きたい。


彼女たちを初めて知ったのは『ぎゃらんぶー』という楽曲のMV。
前文でよく分からないハードルの上げ方をしてしまったので、いい加減そろそろ音源を聴こう。





ボーカルの脱力感に対して言葉のテンポの小気味よさよ!ただただ気持ちの良い韻が羅列され、隙無く敷き詰められている歌詞たち。
 
意味があるんだか無いんだかみたいな歌詞はほとんどがBa./Cho.ユウキが書いている。
あっ、ボーカルのお二人じゃないんだ!
 
バンドメンバー全員ボーカルやコーラスを担当していて、あっちこっちから色んな声が聞こえてくる。

いわゆるゆるふわと呼ばれる雰囲気とは全く異なり、例えるならクラスに一人はいるような決して可愛いわけではないけど喋るととにかく面白いムードメーカーの女子がバンドを始めちゃった!みたいな。…みたいな?
そんな女子たちのこっちも見て!こっちも!というような矢継ぎ早のアピールに巻き込まれてるうちに一曲が終わっていた。


このMVに惹かれて一度新宿でライブを観たのだけど、脱力とは裏腹のバッキバキの演奏力に驚かされた。
Dr./Cho.ユナとユウキが演奏するどっしりとしたグルーヴと遊び心の上で、一丸となってふざけまくる全員。
でもそれが真面目なのだ。ふざけているのにとにかくカッコ良く感じさせられるのは根底に真面目さがあるからこそ。ただのネタっぽさやイロモノで終わらない確かな演奏力とアレンジセンス。これだけでもピカイチ!



彼女たちを語る上で欠かせないキーワードが「コンプレックス」。
先ほどの『ぎゃらんぶー』は女性の大敵である「毛」について書かれた曲。

抜けるがままに 生えるがままに 水戸毛根の言う通り

水戸毛根て!笑

4曲目には『二重センター』という楽曲もある。

二重なお目目 一重なお目目 あなたのお目目 


どちらの歌詞も、あなたのありのままを受け入れなさいという仏教の教えのようなお言葉。


そしてライブ中で披露されていたEP未収録の別の楽曲においては、「可愛いは笑える!」「この顔は、アートでしかない!」と叫ぶ部分もあり(これも音源で聴いてみたい!)、コンプレックスこそ長所だ!と言わんばかりのポジティブさがびしびしと伝わってくる。


そうだ、そもそもコンプレックスが無ければこの楽曲たちは生まれてこなかった。
ほんと失礼を承知で書かせてもらうと、決して美人なわけでもない彼女たちをカッコ良く可愛く感じるところに、CHAIの魅力の秘密が凝縮されているのではないか。

もうそう思わされた時点で彼女たちのコンプレックスごと魅力になっている。
 


最後にもう一つ、公開されたばかりのMVがある。これが本当に名曲!
EPの最後に収録されている『ぴーちくぱーちくきゅーちく』





何回も見てる内にみんな可愛く見えてきた。

冒頭でも述べたようなとにかく言葉が耳になだれ込んでくる気持ち良さが体感できるはず。
個人的にはサビ(?)終わり、1:19〜の一度落としてからじわじわアガってくるところがたまらなく好き。感動的じゃないすかこの部分。


いいね一つ貰えれば勘違いしちゃうこともそりゃあるさ!
そこまで可愛いわけではないのに自撮りのツイートだけいいねを稼いでしまう女の子、よくいらっしゃるよね。
SNS文化や自撮り文化をひっくるめて皮肉ったような映像を含めて、勘違い女子を明るく笑い飛ばすようなエール。
インターネットの無限の海へと沈んでいった自撮り写真、いつ誰に掘り起こされるやら。
そんな
黒歴史未遂もばっちこい!その勘違いももはや長所だ!アートだ!

世界中のコンプレックスを満面の笑みで引っくり返せ!
それこそが彼女たちの願う「NEOカワイイ」なのだろう。
それってもはや革命じゃないか。