こんなブログを書いていたり、毎日ペースでレコメンドタンブラーを更新していたりしていると、最近おすすめのバンドなんかある?みたいな質問をよくされることが多い。
その人の好きそうな音楽やシーンに合わせて答えることが多かったんだけど、最近は間違いなくこのバンドをおすすめしている。


それが、
Ring Ring Lonely Rollss

かねてからオススメはしていて、アルバム『goodnight Bohemian』についてのブログを書いたこともあった。

そして今回さらにレコメンドさせていただきたいのが4月に発売された1stミニアルバム『Chemical』


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2016年燦然と輝く名盤でしょうこれは。

前置きはこれくらいにして、さっさと書くよ! 




アルバム一曲目を飾る「Rock'n'Roll」のMVがこちら。まずは聴かねば。



 

明日の明日のその先に
生きてる保証はないけど
昨日の昨日のその先に
生きてた証はあんだぜ?


なんだこの少年ジャンプにそのまま載っかりそうな名言!

浮き立つようなドラム、シンプルながらも確実に高揚させてくるベースライン、そして祝祭感溢れるコーラス。
前作についてのブログ記事でも、収録曲ではないにも関わらずくどくど書いてしまったほどの名曲である。
彼ら自身にもその思いがあるのだろう、デモや1stEPでも録音されており、これが3回目の録音。


同様に「sister」という楽曲も3回目の収録。長い航海への旅立ちを思わせるようなスケールの大きなバラードなのだ。

もうこの時点でベスト盤と言っても過言ではないのだけど、リアレンジを繰り返してよりハッピーに、より屈強なアンサンブルの仕上がりに聴き比べるのも楽しいかも。

いやいや、そんな話がしたかったんじゃない。
彼らは今も名曲を生み出し続けていたのをこのアルバムが証明しているのだ。



アルバム二曲目は「coldsea」。このアルバムでの一番の個人的推し曲。

歌詞を眺めながらなんてことないいつもの洗濯なんかしていて、ふと気付いてたら泣いていた。
 
街を出よう 二人だけで
歌を歌おう 好きなこと探そう

なんか最近つまんない。どんな歌も同じようなことばっかり言ってさ。という愚痴のようなAメロが続いて、俺が歌いたいのはこんな歌なんだ!と言わんばかりのサビが広がる。
そのAメロとサビだけのごくごく単純な構成だからこそ、シンプルなメッセージがこの上ないグッドメロディとともに耳に入ってくる。

Vo/Gt 大坂元紀の歌声には独特の粘りがあって、それがこの楽曲では伸びやかなメロディと完璧なタッグを組む。
それが前回ブログで書いた「顔に絵の具を塗りたくるような微笑ましいサイケデリック」という言葉とリンクした。
彼の歌声はそんな絵の具そのものだ。

バンドマンが派手な衣装やメイクをしてステージに上がるように、女性は仕事のためにも恋愛のためにも化粧をして家を出て、そのどれもない僕にとってはこの曲こそが街を出る(何か行動する)ための背中を押してくれるものだった。
いやーこれは買って聴いてほしいんだ、ほんとに。



そしてアルバムはそんな感情を認めてくれるような「I know」に続く。

俺は分かってるよ、あんたは正しい。

そんなことを伝えてくれる優しげなサビも繰り返していくうちにだんだんと熱を帯び、同じメロディでありながら両肩を揺さぶって励ましてくるような力強さへと変わってくる。

愛ある気持ち伝わるよ

この一節が「coldsea」からの、やりたいことやっちゃいなよというメッセージに繋がってくるのがニクい展開。



今回のアルバムは歌の力が強い。
それを歌うはやんちゃな男児のような声の持ち主であるフロントマン大坂元希とVo/Pf/Gtを担当する森ともか
ツインボーカル、というよりも大坂の歌にぴったりと寄り添う森のハーモニーはそれごと一つのメロディのよう。

さらにリンリン節と呼んでも過言ではないくらいに多用されている分厚いコーラス!
ひねくれたコードや練りに練った展開もいいけれど、歌声の強さだけで充分な説得力を持つ。
今作ではそんな声の持つ力強さや壮大さが余すところなく表現されている。

オリエンタルなギターフレーズがかき鳴らされ、異国情緒溢れるダンスナンバー「Thema of King Gyan Gyan」や、その速いBPMからパンキッシュな雰囲気さえ感じる「sunday morning」にも姿形を変えてコーラスが登場する。

突き抜けるような爽快感や、広大なスケールや、身体の内側から鼓舞される感覚、曲によって意味合いは変われど、いずれにも共通するポジティブな感動が声の重なりだけで伝わってくるのだからコーラスってすごい。 



アルバム名『Chemical』の由来は最後の「Beautiful」に。
これもMVが先日公開された。大坂が一人で作り上げたとのこと。歌詞があるMVって本当に丁寧な印象があって好き。




雪の上に咲いたサイケデリックは夢
人は救い求めて歌は生まれたのさ
この地上のあちらこちらに 

僕にとっての「coldsea」がそうであったように、このアルバムは平凡な日常に花を添えるような楽曲ばかりだ。
その花はなかなかビビッドな配色で、クセもあって、でもだからこそ中毒性もあって。
見るだけでちょっと力が貰えるような花。玄関に飾る花なんかまさにそうなのでは。お出かけ前や帰宅後にちょっと幸せになれるようなそんなやつ。


そんなことを考えているうちに「Beautiful」はロックオペラのような大団円を迎える。キーボードの重厚な最後の一音がたまらない。
その音に呑まれたまんま、良い小説や映画を終えたような感覚に身を包まれ、アルバムが終わった無音の奥から聴こえてくる日常ごと愛おしくなる。
 

『Chemical』をいざ聴き終わり、果たしてどの曲があなたにとっての花になるのだろう。
人の聴きようによって音楽の聴こえ方はいかようにも変わる。そんな人と音楽の化学作用って本当に素敵なことだと思う。 ちょっと日常の見え方が変わって、至るところが花に見えてくる。なんてヒッピーな発想なんだ。
でもこのアルバムはノンドラッグでそんな出会いが出来ちゃうものだ。



ちなみに今作は、タワーレコードとイベント制作会社HOT STUFFがタッグを組んで新設されたレーベル「TWO SHOT」からのリリース。
ネオ渋谷系と(自分の中で)話題のPOLLYANNAや千葉の3ピースギターロックバンドQLTONEが 現在所属しており、ここからの盛り上がりも気になるところ。
全然関係ないけど、TWO SHOTのロゴ、微妙にうちのブログのロゴと被ってるんすよね…笑