新体制6人組となってついに二年目。
レペゼン下北沢、恋愛至上主義音楽集団を自称するTHEラブ人間の新しいMVが公開された。

スピードワゴンの小沢一敬を主演に迎えて作られた「コント」という作品。
なんだかこの映像を観てちょっと泣けてきてしまったのだった。

アルバム発売直前であるけれども、この映像に絞ってあーだこーだ書いていこうと思う。


クラウドファンディングで当初希望額を大きく超える(208%!)レコーディング資金を集めて作成された、THEラブ人間3rdアルバム『メケメケ』
2015年は二枚のミニアルバムをリリースし、さらに発表された2016年2月3日というタイミングでのフルアルバム発売。
恋愛至上主義音楽集団を自称し、自ら経験してきた恋愛をありのままに描くラブソングばかりを演奏してきた彼らだからこそ、音楽を作ってからリスナーの耳に届くまでのタイムラグをなるべく減らすかのようなこのスピード感。



THEラブ人間の新体制初となるこのアルバムには、以前発売された両A面シングルから「じゅんあい」と「幸せのゴミ箱」、2枚のミニアルバムから「FUSHIGI DANCE」や「クリームソーダ」が収録されており、まさに再スタートから今までの旬を詰め込んだ一枚となりそう。



そんな中、『メケメケ』の中から新曲として発表された「コント」という作品。
以前よりラブ人間のファンを公言していた、お笑いコンビのスピードワゴンの小沢一敬を主演に抜擢したこの映像。
早速観てみよう。






「クリームソーダ」のわくわく感、「今夜パーティがないのなら、どこかへ映画を観にいこう」のとにかく踊らされてしまうようなドラミング、さらには金田のソロアルバム『NATSUMI』で描いたような女の子目線にも移り変わる歌詞も出てくる。

そして「じゅんあい」で描いた好きという言葉がここでは全く違う意味合いで響く。


タイトル通り、お笑いライブを描いた一幕。
登場するのは男女の漫才師。二人はコンビでありながらも交際関係にあるみたい。
本番前の舞台袖で突然別れ話を切り出す男。


「なんでこんなとこで急にそんなこと言うの?」
大体男ってそう言われちゃうタイミングで別れ話しちゃうよね。なんでですかね。

そうは言っても始まる本番。

歌詞に合わせて展開されるボケはまさに別れ話のネタ。笑顔でツッコむ彼女。内心めちゃくちゃ複雑だろう。
そのネタを見て笑う観客。

この縮図がそのまんまTHEラブ人間の音楽にイコールするような衝撃を受けた。



このバンドの歌手、金田康平は自身の恋愛を基に歌詞を書いており、純粋にラブソングだけで音楽と向き合ってきた男。
片思いしてるあのコを一生懸命口説く歌だったり、浮気してしまった歌だったり、別れた後にやっぱり相手の大切さに気付く歌だったり。僕はそんな彼の沢山の歌を聴いて、ライブに行けばそれに涙ぐんだり大盛り上がりする観客を見てきた。


金田がどんな心情でそんな曲たちを書いてきたかなんて知る由もないけれど、数々の恋愛をステージで音楽として昇華している姿と、複雑な心情のまま漫才を始めてそれでも観客を笑わせているコンビの姿がダブって見えたのだった。


ステージの上で表現をするということがなんだかとても高尚なことに思えたのだ。
人前に立つということはなんと勇気が伴うことか。

そして観客の素敵な反応はかくも幸せなものか。



オチの言葉で一気にハッピーエンドに加速する。
二人の幸せを祝いつつも、同時に金田の失恋にクスッときてしまうラスト。
そしてそれぞれの立場から歌われる、≪コントじゃねぇんだなあ≫の二面性。


この歌詞、別れを告げられた方の立場からすればとても理不尽な話かも知れないのだけれど、このオチの一言があるだけでそんな感情を上手く中和して笑えるオチになっているのがウマい。

あまーーーーい!!


それでもって好きだから別れようと言ってはいるけど、男の方にもいろいろあるんだぜきっと。
ギャグとジョークが好きな彼なりに考え抜いた結果が好き過ぎて別れるなんて、一周回って健気な印象を受けてしまうのはやはり自分が男だからだろうか。



アルバム名である『メケメケ』とは、フランス語で「それが何?どうってことないさ」みたいな意味。
恋愛の話でも、ひいては生きていく上でも抱える傷やぶち当たる障害を一言で軽くしてしまう魔法の言葉だと思う。
きっと人生は喜劇だ。

ついにアルバムフラゲ日を迎えた本日。CDショップに寄って帰ることにします。