ロシアから受信した怪電波を不思議な音楽とへんてこな歌詞に乗せてお届けする、ザ・プーチンズというユニットの一曲。


ナニコレ。これはまさにこれからご紹介したい楽曲のタイトルであり、僕が一聴して抱いた感想だった。
一聴して抱いた感想はナニコレでも、二度三度聴いていくうちに違う感情が芽生えてきた。
そもそもこの曲を二度も三度もそしてそれ以上今でも繰り返すに至った引力たるや!

ナニコレ?からナニコレ!に変わる瞬間がきっとこの曲で味わえると思う。




ザ・プーチンズというユニットが、「ナニコレ」というタイトルの2ndアルバムを昨年11月に発売した。



ナニコレ



ザ・プーチンズは街角マチオ(ボサノヴァギター)、街角マチコ(テルミン)、川島さる太郎(パペット)の3人(?)組。
川島さる太郎はパペットながらトラックメイカーの一面もある。
ん?中の人?マチコ?なんのこと?


そしてマチオとマチコはどちらもボーカルもこなす。僕が最初に出会った楽曲は「すしてるみん」という、まさにテルミンを全面にプッシュした一曲だった。






丁寧に字幕まで付けたからこそ、映像から漂うこの緩く洗練された雰囲気。
これってもしかして噂のクールジャパンってやつじゃないか!


軽快なビートとシンセサウンドの中、街角マチコが淡々としたボーカルで歌う。
そしてリフを刻むはやはりテルミン。これこそ、このユニットの持ち味。
独特の浮遊感はそのまま独特の世界観を構成するのにうってつけである。人の声に聴こえるような瞬間もあり、テルミンの音色自体に興味が湧いたりする。

それにしてもテルミンリフって!笑



この「すしてるみん」をきっかけにプーチンズを知って感嘆していたところに、さらにアルバム発売に合わせて表題曲のMVが公開された。

それが「ナニコレ」。これこそが今回あーだこーだ言いたい楽曲。


まずはそのMVを。






いやはや、何度見ても面白い!
あれ、この曲テルミン無いよね?笑


それマヨネーズのかけ過ぎじゃない?

スッポン食べようぞー!



こんな意味もない圧縮された歌詞がリズム良く詰め込まれた後の、キーモチーーーー!!で爆発する開放感!
しかしその中毒性にやられて何度も聴くうちに、感動してしまっている自分に気付いた。
この後味はなんだ。改めてじっくり考えてみたい。




この曲には何層もの視点があって、その度視点が俯瞰していく。
木を見る視点から森を見る視点へ。それは曲を追っていくごとにどんどん視点が引いて世界が広がっていく感覚で、さながらグーグルアースをいじってる時のような音体験なのだ。
MVにおいても、キーモチー!で固定された視点がそのままシュールに引いていく図がまさに。



上から目線 下から目線 上から目線 舌からめません
わたし キスのときに 舌からめません
っていうアイドルに 俺はなる アイドル王に俺はなる



動画では1:46~の部分、ぐっとトラックの音数を減らした三番。
自然と歌詞に耳が向いてしまうような構成で歌われるのが上の歌詞。

食い気味に入ってくる「っていうアイドルに 俺はなる」で味わう気持ちの良い違和感。あっこの人の文句だったのか!笑

視点がちょっとだけ俯瞰になって広がった視点が、アハ体験のように脳みそを直に揺さぶる。




後半、

ああ 君のために 歌いたくない歌 歌うよ



まさにこの部分にたどり着くまでに濃密に叩き込まれるしょうもない歌詞の数々。
この部分こそがまさに分かりやすく最大の俯瞰。
いわばこの部分を聴くまでに視線を広げる準備運動をさせられてるのだ。




さらにはサビ終わりに必ず

Round ○ Fight!

というストリートファイターIIみたいな導入。
これも曲全体を聴いた後に改めて見ると、俯瞰しまくってそもそもこの歌詞を歌うこと自体がマチオにとっての闘いであることが分かる。笑


思わず 笑 を付けてしまったけれど、曲が終わってからこの導入の意味合いに気付く伏線感!
そしてそれがまた楽曲の後半に(急に)詰め込まれたメッセージとしてすごく生きて刺さってくるのだ。


それを何よりも面白おかしく提示しているのがこの楽曲の素晴らしいところ。
渋谷センター街のド真ん中でこれを撮影しているというのもさすがの説得力じゃないか…!



誰からどう見られてるかなんて気にするな
DAPPOとか言ってるやつだって この世にいていいんだぜ


こんな曲に惹かれてこんな文章を書くやつだって、きっといていいよね!