大宮にとっても素敵なレコードショップがあるんです。 唐突ですが。 

モアレコーズというお店。(http://morerecords.jp/) 
店内は邦楽インディーズを中心にありとあらゆるジャンルを網羅。僕が行った日にも、バンドマンが音源の持ち込みをしていた。

店内は全て視聴OKで、そもそもほとんどの棚にしっかりと視聴機が備え付けられていた。アルコールなど飲み物も含めて販売されていて、ちまちま飲みながらお気に入りの一枚を探したりなんかも出来るみたい。

お言葉に甘えて視聴しまくった中に、ぐっとくる一枚に出会ってしまった。 


rrlr 


Ring Ring Lonely Rollssというバンド。りんりんろんりーろーるず。 
http://ringringlonelyrollss.tumblr.com/ 

今回のレコメンドは、2015年2月に発売された1stフルアルバム「goodnight Bohemians」について。


前置きが大変長くなってしまった。 
この一枚に関しては、そのレコードショップで一曲ちょっと聴いたあとに、これは帰ってからに取っておこう!という確信と決意とともにレジに持っていったのだった。こんな感覚は久しぶり。


そんな一耳惚れしたアルバム、最初を飾る「(good morning)」は、爽快な朝の始まりを思わせるコーラスのみの楽曲で、わずか30秒にも満たない。 

そのまま、続けざまに怪しげなギターリフから二曲目「Spectacular」が始まったかと思いきや、そのリフに合わせてピアノが入り、「(good morning)」で聴いていたコーラスが合流して世界がパっと開ける感覚。
この流れが完璧すぎて!!


 

今年聴いた中で間違いなくベストなイントロ! 
もちろん歌もいい。イントロの壮大さからは想像もつかない優しさ。夢を見てるモンスターに送る、慈しむような子守唄。 



完全にご紹介が遅れてしまった。興奮冷めやらぬ。


Ring Ring Lonely Rollssはサポート一人を含む五人編成で、北浦和KYARAや下北沢、新宿など都内でも活動中。 

Vo./Gt.大坂元紀と、Vo./Pf./Gt.森ともかのダブルフロントマンという珍しい編成。 
壮大なコーラスや、惹き込まれるメロディセンス。そしてそのベースとなる土着的なリズムはまるでお祭りのようで、とにかくハッピーでピースフル。このグルーヴ感と、そこから醸し出される独自の雰囲気には、使われ過ぎて好きじゃないのだけれど、あえて多幸感という言葉を使いたい。 
上記した音源を聴いてもらえば意味が分かると思う。これが本当の多幸感だ! 



映像作品にも力を入れてるようで、このアルバム内でも三曲もMVが上がっている。
せっかくなのでアルバム三曲目、「Wake up Zombie Show!!!」の楽曲もここで。
グロテスク注意。ゾンビですし。 


 

(音源は0:52~)


Thank you mother & father,
Because I'm Dead!
だけどやっぱまだまだぎりぎりまで横にいて


メルヘンチックとはまた違ったファンタジーさに、おちゃめな歌詞が踊る。 
スリリングでハッピーな映像と音楽が妙なマッチングで、鬼気迫るはずの冒頭なのに、弾き語りでのしっとりとした歌い出しはこれからのハッピーエンド(?)を示唆してるような和やかな雰囲気。 


そうそう、しっとりと言えばアルバム後半には「Love」というクラシカルなピアノソロも収録されている。
ショパンのノクターンを匂わすメロディは、やはりピアノの森ともかの作曲。 

他の楽曲でも大坂と森との共作が多く、メンバー各々の好きなあらゆるジャンルを雑多に吸収しつつ、あくまでもポップにロックに昇華しているよう。


ギターのアルペジオと中国拳法のようなヘイッという掛け声が、そっちの国の映画音楽を思わせる、「asian fire」だったり、前ノリのリズムがひたすら心地いい「Tommy」や、「ブライト博士の研究室」はジャンルとしてのロックンロールを彼ら流に消化したような一曲。



「(good morning)」で始まったこのアルバムを通して、様々な世界を見て回った最後、大坂の歌声と森のコーラスが温かさをもって耳に届く「good night」で幕を閉じる。

と、ここまで書いてふと思ったのだけど、もしかしたらこれ逆なんじゃないか。
このアルバムの中身自体が夢の世界の出来事なのでは。

楽曲やその歌詞の中には現実世界からかけ離れたファンタジーばかり。ゾンビがいたり、実験好きのブライト博士がいたり、突然異国に旅立ったり。
アルバムを再生すれば、そこはたちまち夢の中。一曲ごとにすぱすぱと世界が変わるのなんかまさに。


冒頭で音源を挙げた二曲目「Spectaculer」の歌詞には、夢を見てるモンスターがいる。


あっちゅう間だからさ 覚えていてね
泡はふわっと消えるさ 忘れないでね


無駄な時間もなく、常にクライマックスのような風景が広がってくるアルバム。 
端的に言えば捨て曲無し。ということ。


サイケデリックな色彩の紙ジャケットをぱかりと開くと、そこには現実からかけ離れたファンタジックな風景が広がっている。街を俯瞰したような視点で、そこかしこに不思議なキャラクターや建物が。これも夢みたいな光景。 
まぁそれは買ってみてからのお楽しみ。 


彼らのプロフィールや紹介文を見ると、そこかしこでサイケデリックという言葉が使われている。

サイケの象徴と言っても過言ではないタイダイのようなビビッドでギラギラしたものよりも、どちらかと言うと彼らのサイケデリックは顔を絵の具で塗りたくったような微笑ましさ。
そしてこのPVの後半のような紙吹雪が似合う。


 


と、これが最後にしておく。 
この楽曲は別の音源、1stEP「Yummy!」に収録されている、その名も「Rock'n'Roll」という楽曲。これも最高でしょう。
コーラスからドラムが重なってきて、どんどん高まる高揚感!シンプルなベースラインがバンドをがっちり支えるところにも注目したいところ。ただの全音符なのにいいんだこれが。


ポケットにビスケットが一つあるなら
砕いて風に舞い上がらせてしまえばいいのさ


ビスケットなんざいらないぜ!って言う潔さに加えて、舞い上がらせたビスケットでこれからの風向きまで確かめてるみたい。



どかんと一発大きなイベントとかに呼ばれたりしないものですかね。フジロックとかめちゃくちゃ似合いそうな気がしているのだけど。 

個人的に今一番大きな動きを期待しているバンドです。
そして、この音の強靭さはライブでも変わらなかった。今回の音源はiTunesでも購入できるけれど、せっかくならライブ会場でぜひ。 

というか誰か一緒に行きましょう!これは。