「YEBISU MUSIC WEEKEND」の最終日に行ってきました。
時間の関係で途中退場してしまいましたが、せっかくなので備忘録がてら。
ライブ二つとトークイベントを一つ見てきました。

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フライヤーが素敵。



YEBISU MUSIC WEEKEND
2014年11月1日~3日まで行われた、恵比寿のビル中フェス。

「ライブ、トーク、プレゼンで音楽を楽しむ×知る×考えるエンタメフェス」

というテーマであった。

駅から遊歩道をひたすら歩いて5分程。
その開けた風景が、今回の舞台の恵比寿ガーデンプレイス。
さらにその奥、ザ・ガーデンホール、ザ・ガーデンルームと向かいのビルの38階、STUDIO38の三ケ所を往来自由として開催された。

ライブアクトとして、細野晴臣(15分の弾き語りステージだったらしい)、ZAZEN BOYSを筆頭に、当ブログで掲載している周辺では、Awesome City Clubや水曜日のカンパネラ、さらにはNATURE DANGER GANGまで幅広く押さえており、メジャーもインディーズも問わず色々な意味でオトナな音楽を集めている印象。
街の雰囲気も相まってなんだかおしゃれだ。

会場の前で当日券の案内と共に呼び込みをやってる人がいたり、折りたたみのテーブルを広げて窓口が作られていたり、どことなくぎこちなく手作り感のある雰囲気。洗練された街並とのギクシャクした感じが面白く、そのギャップで、急にこのフェスが身近になった気がした。不思議な親近感。




体育館をそのまま拡大させたかのような、非常に天井の高いホールステージにて、大森靖子を観る。


「別の会場では音楽ライターの講座だったり、『デジタル時代、ミュージシャンはどうやって生きていくのか?』って講座をやってるみたいですけど、」

と切り出した後、

「ここに全部答えがあります。死なない、それだけですね。頑張りましょう」

そう言って笑顔を浮かべ両手をガッツポーズのようにして握る姿がチャーミングながらも挑戦的で、フロアは大きな歓声と拍手でそれに賛同していたようだった。

中盤、「ノスタルジックJ-POP」の演奏中から、客電を少し明るくさせた。一人一人の顔を見たかったのだろうか。視線を固定させたまま誰かと見つめあうような形で歌う。
「絶対彼女」ではサビを女性に歌わせたあとそれに続くように、「おっさん!」と男性を煽る。
繰り返しの際に、「自覚が足りない!」とさらに煽ってから男性合唱の声量が上がったのが微笑ましかった。
「ハンドメイドホーム」の最後、ギターのストロークをしながらシールドを引っこ抜いた彼女は、本編ラストとして「君と映画」を歌い出す。
歌いながらステージを降り、広いフロアの真ん中、観客の輪の中でスポットライトを浴びながら前後左右に揺れながらギターを掻き鳴らす様は、さながらコンテンポラリーダンスのようで美しい光景だった。







続いてホールステージには、今年のフジロックにてルーキーアゴーゴーに抜擢された、吉田ヨウヘイgroup
楽曲はいくつか聴いたことがあったのだけれど、ライブは初めて。
今年の五月にやついフェスで初めて聴いた、bonobosみたいな印象を受けた。祝祭感。
管楽器の織りなすスケール感。フルートの軽やかな響きだったり、バンド編成との合奏では非常に珍しいファゴットの低音の刻み。
そこに高音チョーキングの激しいエレキギターのソロパートが入ったりするのはなんとも新鮮。
ロックバンドの美味しいところも余すところなく伝えていた。







今回のこのフェスに来たのも、目当てのトークイベントがあったからだった。

ブロガーのレジーも参加している、「音楽で食わず、音楽と生きる ~Wキャリアがもたらす世界~」やでんぱ組.incから夢眠ねむを招いた「アイドルのセルフプロデュース論」など、テーマからして惹かれてしまう内容が沢山あったのであるが、今回見に行ったのは、

「tofubeatsと音楽ライター/ブロガーが語るディグ術と隠れたJpop名盤」
という講座。


登壇するのはタイトル通りtofubeats、そして「COOKIE SCENE」という音楽情報メディアの編集をしている近藤真弥、そしてピッチフォークなど海外の音楽記事を翻訳したサイト「Lomophy」の運営とともに、同じくCOOKIE SCENEにもライターとして寄稿している荻原梓の三人。


まず、それぞれの隠れたJpop名盤の紹介から始まった。


荻原が挙げたのは、Sawaの「Welcome to Sa-World」。

sawa


初回限定版を買うべき、特典DVDでのインタビューで彼女の天才さが分かると熱弁。
ポップとはなんたるかが詰まった一枚とのこと。


BOOKOFFに週一ペースで通っているというtofubeatsが独自のBOOKOFF論を交えながら紹介したのは、中澤真由(現:immi)の「Step Into My Heart」。
宇多田の1stに並ぶ名盤と紹介し、アルバムから一曲を流しながらトーク。
シングルカットもされている、収録曲の「他の誰でもないあなたは」に対してベストオブJ-popと誉めちぎっていた。

immi


「ディグをしまくっていると、好きなものに漂っている匂いを嗅ぎ分けられるようになる」
の一言に共感。
BOOKOFF論の中で展開された、動物のジャケットは当たりが多いとか、子供のジャケットはハズレが多いとか、きっとそうやって様々な音源を漁っている人なら何かしら思う部分があるはずだ。



近藤は日本のインディーズアーティストを紹介した。
女性のシンガーソングライター、Sacoyanの「虎モ猫になる」という一枚。
神聖かまってちゃんのの子とも過去の配信で言い争いをしたというような出来事もあるらしく、まさに知る人ぞしる人物の知られざる一枚。
近藤いわく、ロックの初期衝動を瞬間冷凍したような一曲である「音楽の天才」という楽曲が流された。


scy


「音楽の天才」というタイトルに関して、曲名勝ちもあるよね!とtofubeats。
彼の代表曲「ディスコの神様」なんかまさにそうだ。
現にそのタイトルに決めてから逃げ道がなくなったと話していた。






話は逸れるけれども最近の個人的な曲名勝ちはタンブラーの方にも載せた、Sakuの「あたしを好きだなんて天才かも」だった。トリプルファイヤー「次やったら殴る」なんかも最高だ。
こういう談義もぜひしてみたい。



次の議題は今年注目の新譜について。だいぶ長くなってしまったので、これは少し割愛させていただきご紹介だけ。



荻原梓
canooooopy
「百夜を繋ぐ言の千切れ葉 [disconnected words connect the worlds] 」


tofubeats
©ool japan
「Last Album」

近藤真弥
ななのん
「ななななのんのん」

ヴァイパーウェイヴとデビューしたてのアイドルというなんともアンダーグラウンド感のあるセレクション。
J-POPどこいった。笑
せっかくなのでここでも一曲だけ。



深夜にどっぷり聴きたい。かっこいいです。


最後の質疑応答で恐れ多くも質問させていただいた。
このトークを通して披露された楽曲や、自分自身のこれまで見てきたイベントなども含めて、

「男性が女性ボーカルに惹かれてしまうのは何故なのか」
というような内容の質問。

やはり異性に惹かれてしまうのと同様で、女性が好きだから耳に入るというような意見があったり、近藤は女性の声から少年性を感じたりする、表現の幅が多いと思うというような意見を頂戴した。


自分もタンブラー「Ongaku Wankosoba」にて、毎日インディーズの音源を掲載している関係で、今までよりも格段に様々な音源を視聴する機会が多かったのだが、どうしても女性ボーカルに惹かれてしまう心当たりがある。
同じメロディを例えば男性が歌っていたらどうか、と考えたりすることもあるのだが、多分いいなと思わないだろうという結論を付けることも多かった。
自分でも答えが見えていないなか、恋愛対象として女性が好きだから。という意見はストレートに入ってきた。
女性はどうなのだろう。やはり男性ボーカルに惹かれてしまうのであろうか。
この辺も談義してみたい内容ではある。



まとめとして、TwitterやSoundCloudなどの発展によって、ディグの新たな解釈が生まれたことが興味深かった。


いい音楽があったら「よかった!」と発信すること。
エゴサーチなり、いいね!なりLikeの数なり、コメントだったりがそのまま表現者を育てることにも繋がる。
メディアだけじゃなくリスナーも、そういうコミュニケーションによって音楽を作っていく時代だ。という結論であった。
いいものをいいと発信して、それをきっかけの一つにしてさらにいいものを作ってもらう。
それがディグの新しい次元ということだ。


それを真に受けて、こうして記事という形でまとめさせていただいた。



「アーティストって意外とエゴサーチしてるもんですよ。僕も今エゴサーチしながら話してますし」

というtofubeatsの一言が面白くも、すごく説得力を持っていた。
思っているよりもずっと、アーティストとリスナーの距離は近いのかも知れない。