今回はペンネンネンネンネン・ネネムズというバンドのPVについて。

音楽と景色の結びつきで、その音楽が自分にとって大切なものになる瞬間。
そんな奇跡のような瞬間が体感できる音楽だと思うのです。

それでもって、単純に、なんか楽しい!



ペンネンネンネンネン・ネネムズ
というバンドの「東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい」という楽曲をレコメンド!


バンド名と楽曲名だけでこの文字数!
せっかくなので(?)コピペせずに入力しているのだけれど、合ってるかどうか何回も確認してしまうこの感じ。たまりません。
略してペネムズ。
Twitter上でメンバーの方が、ペ(略)ズと記しているのも見た。ひどい。笑
元ネタは宮沢賢治の作品。



ペンネンネンネンネン・ネネムズはツインボーカル編成の5人組バンド。
二人のボーカルの声質や、ギターの空間的なエフェクトから成る独特のゆるさとそれに伴う浮遊感が心地いい。

そんなバンドの雰囲気を存分に表したPVが。








「東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい」
という3月に発売された、同名のアルバムに収録されているこの曲。

pnms


ゆるさという言葉を出したけれども、そういった音楽に、このバンドメンバーを模したキャラクターのゆるさがぴったり。
東京の夜の街って本当は怖い部分もあるはず。ましてやこの映像の舞台である新宿なんかなおさら!
そんな街を、教育テレビっぽさのあるキャラクターがのほほんと、てくてくと、歩いているというギャップが、「なんか楽しい」気持ちにさせられる。

個人的には1:22辺りからのキーボードが、ふわふわ歩いているような気分にさせられて愛おしい。



タイトルにある、「独り」という言葉の使い方もなんだか彼らっぽい気がする。
一人じゃなく、独り。
街には人がいっぱいいるのに、イヤホンで音楽を聴きながら歩く様は、どこか孤立しているよう。
でも決して人と一緒にいたいわけじゃなく、そうやって自分の好きな音楽を聴いて、ぎらぎらに光るネオンなんか眺めながら歩くのがなんか楽しいのだ。




どうか僕らが物語の一部でありますようにと願う少年の頬に優しく夜空があたる



タイムリープだったり、ロストイントランスレーションだったり、フィクションから引っ張ってきた言葉も歌詞の中にある。
映画を観た後、今実際に歩いているのが現実なんだかフィクションなんだか分からないような印象をそのまんま受けた。


設定通りここが東京


という歌詞もあるけれど、この曲の主人公はちょっとフィクション寄りな気分なのかも。
間奏の部分ではどこかSFやらゲームっぽいエフェクトも混ざる。

そんなやや曖昧な気分。それがフィクションだか現実だかの分からなさや、浮遊感に繋がる気持ちよさになるのだろうか。単純に酔ってる時に似ているかも知れない。



環境と音楽の組み合わせで、自分の見ている風景の見え方がガラリと変わったりする瞬間。
そういう瞬間ってきっと誰でもあると思うのだけれど、どうだろう。
音楽にはそういう合わせ技の楽しさもあるはず。
電車に乗ってるとき、どこか決まった街を歩くとき、家で雨の音を聞きながらのんびりしているとき、そういうときに必ずフィットする音楽があるのではないかと考えている。さながら自分の今見ている景色をそのままPVとして作品に出来るような経験。
そしてそれは自身の気分と楽曲のクオリティを容赦なく底上げしているはず。


この楽曲を聴きながら新宿を歩くという行為も、それと同様、必然的にリスナーをなんか楽しい気分にさせてくれるはず。

させてくれるはず。とか書きながら、自分は真っ先に試していた。あの人混みの中、ちょっとゆっくり歩きたくなった。そんでもってたまらなくハッピーな気分であった。


どうか、ハッピーな気分で街を歩く人が一人でも増えますように。
なんか楽しいぜー!