2014、5/31。
真昼間から深夜を通り越して朝方まで行われる、サーキット型フェス、「Shimokitazawa Sound Cruising 2014」に行ってきた!

たまには個人ブログっぽくゆるく書きつつ、音源と合わせて振り返ってみることにする。





今年で三回目だったのかこのイベント。もっと長いことやってるかと思いきや、意外と新しいのね。

当日は仕事だったので、ナイトタイム(22時~)から参加。


今年のデイタイムのメインはやはり小林幸子か。
「サウンドクルージング」でぐぐったときに、公式HPの下、二番目の検索結果に小林幸子のHPが挙がっていて、彼女の存在の大きさがにじみ出てたようでビックリさせられた。

富士見丘教会で七尾旅人とのコラボライブだったようなのだが、どういうライブだったのだろう。
富士見丘教会のラインナップに並ぶビッグネームの中に、「食品まつり」が入っていて、新たな時代の流れを感じる。アイドルがなだれ込んできた次はクラブミュージックかも知れない。

と思って去年のタイムテーブルを探したのだけれど見つからなかった…。


それにしても富士見丘教会、近隣の住民の苦情によってライブ禁止だそうだ。
このイベントかな、原因は。音漏れすごかったみたいだけども…。


下北沢・富士見丘教会が今後のライヴ禁止を通達
http://ototoy.jp/news/75681



ともかく、参加したのはナイトタイムだ。


せっかくの入場料なので、名前だけしか聞いてこなかったバンドを中心に攻めていくことにする。

雑多になるかも知れませんがよければお付き合いください。


最初はReGにて「Elflock goes mad」。
女性ボーカルのダンサブルな楽曲が特徴的。
オープンハイハットの裏打ちだったり、ディスコ感のあるベースラインだったり、とにかくノリの良さが際立つ。
HPにはシューゲイザーの要素もあるみたいだけど、そのへんも気になるところ。



そのままDaisybarにて「夜の本気ダンス」
冬に引き続き夏のBAYCAMPにも出演が決まったこのバンド。そういえば一回視聴したっきりだった。
とにかくギターリフを一貫して演奏するようなスタイルで、踊らせる踊らせる。なんてバンド名に忠実な演奏だ!
こういう楽曲にちょっとハイトーンめのボーカルがのっかってくるスタイルって結構あると思うんだけど、このJ-Rock(と言っていいものか)の流れはどこまで続くんだろう。
それにしても人がめちゃくちゃ多かった!
演奏者の姿がほとんど見れなかったので、3,4曲聴いて途中離脱。







Mosaicにて「tomad」
冷めた目でテクノを流しますってツイッターでつぶやいてたから、冷めたテクノが流れると思ってたけど、全然違った!想像を裏切る熱のこもったステージングだったように思う。
常にうつむいていながらも、髪を振り乱しながら踊って、曲の変わるタイミングで煽る。それに呼応してフロアも熱を帯びていた。
人がまばらなフロアではありながら、一人一人の適度に踊れるスペースが確保されているようで、休憩がてら後ろでのんびり眺めてようかなと思ったけど、なんだか損してるような気がして、前方まで来ていた。
自分と同じで踊り方もなにもない前方の人達が、お酒を飲みながら楽しくわちゃわちゃやっているのが印象的で、普段クラブなんか行かないような人達がライブハウスでクラブ入門しているようで、ちょっとクラブへのハードルが下がっていたように感じて居心地が良かった。
とりあえずカッコいい音、ノリのいい音でただただ踊る楽しさ。音楽の魅力なんてそんな単純なものでいいのだ。
それにしても音がめちゃくちゃ良かったなぁ。





そしてGardenに移動。今回で一番大きい会場だ。
その後の本命のためだったのだけど、押してた影響でその前の「勝手にしやがれ」もたっぷり見れた。
渋いな!しゃがれたボーカルが酒やけかと思わせるような、男臭いジャズバンド。かっこよい。
ステージ上、縦横無尽にホーン隊が動き回る。さらにトロンボーンの人がフロアまで降りてくるパフォーマンスをしたり、良い意味で観客を落ち着かせるタイミングが無かったのが意外だった。もっと落ち着いた雰囲気なのかと思ってたけれども、やんちゃな大人といったところか。
深夜にダブルベースとホーン隊とを聴いているのはなんだかオトナな感覚。ちょっといいお酒を飲みたくなった。
年齢層高めの人も多かったように思う。
どうやって帰るんだこの人達。タクシーか。オトナだな。



その後の本命が「後藤まりこ×大森靖子」。まだ実際に見たことがなかったので、どういうライブをするのか非常に気になっていたのだった。
二人のTシャツやグッズを身に着けている人が多いように見えて、始まる前から観客の熱量の高さが感じられた。そのピークが一曲目から!
SEとして流れた最初の【ミッドナイト清純異性交遊】。
大森のライブと同じ導入に盛り上がる場内。それに呼応するように、演奏者二人ともダイブして、早速もみくちゃに。
大森はこの曲でいきなりマイクに唇をぶつけてしまったらしく、下唇の辺りに血を滲ませた状態であった。後藤まりこの目元のメイクの赤と 不思議な統一感があって、狂気じみたステージングをより濃厚に演出していたようだった。
気になるステージングはお互いが交互に自身の曲を演奏していくスタイルだった。
そこにもう一人がコーラスに入ったり入らなかったり、ギターを弾いたり弾かなかったりと即興とは言いつつもなんだか自由な時間。
ちょっかいを出し合うような関係性で、それが象徴的だったのは大森がライブ中に歌っている後藤と撮った自撮りツーショットを撮影していたこと。後日それがツイッターにアップされていたが、すごい時代だなぁ。
今回のサウンドクルージングで一番大きな会場となるガーデンが、ここまで静寂に包まれるのは、独特な危うさと緊張感があった。
出番がトリだったこともあり、アンコールとして【ミッドナイト清純異性交遊】をもう一度!
再び二人はダイブ。後方まで流れていく後藤と肩車で担がれながら歌う大森と、とにかくカオスな空間だった。
最後はフロアに降りた後藤がギターを叩き折っていた。「みんなありがとー!」とあっけらかんと言い放ちながら何度もギターをフロアに叩き付けている姿が今でも忘れらない。
こっそりとカケラを持って帰る人たちも多く、なんだか宗教的な光景であった。



少し休憩をしてから、再びMosaicへ。しばらくここに入り浸る。
「GEZAN」の途中から。いつの間にバンド名の表記変えてたんだ。知らなかった。
入口のドアが開きっぱなしになるほど、人に溢れていた。
2曲程しか聴けなかったのだけれど、リズムに合わせて踊りまくるというよりも、ただただ暴動が巻き起こっているかのような前方に巻き込まれてぐちゃぐちゃになっているうちに終わっていた。
去り際にVo.マヒトゥ・ザ・ピーポーが「おめーらロックってなんだって聞かれたらとりあえずGEZANって答えとけ!」と口にしていたのが最高にカッコよかった。


そのまま「クリトリック・リス」のステージを見る。
なんだかんだ今まで見る機会が無かったので非常に楽しみだったのだが、期待を裏切らない面白さ。ミュージシャンでありながら、芸人としてのハードルで見られるっていうのは
ひたすら笑わされた中、【桐島バンドやめるってよ】という楽曲が光る。
売れないバンドマン、売れたバンドマン、バンドに関わる全ての人に引っかかる楽曲なのではないか。
一人で、というか独りで歌い続けていた彼だからこそ歌えるものなのかなと思う。
後々どなたかのツイートを見て分かったことなのだけど、入場規制かかってたらしい。
深夜3時ごろだぞ。狂ってる!






次はもう一つ本命の「NATURE DANGER GANG」
「GEZAN」からここまで、同会場。狂ってる!
バンドマンがめちゃくちゃ推している印象があって、どんなライブをするんだろうと思っていたのだけれど、蓋を開けてみるとMCも無い文字通りノンストップの30分間だった。
ステージには何人いたのだろう。男女混合で8人くらいいたように思う。
楽器はサックスが一人。あとはみんなマイクを持ってたり踊っていたり。ボンゴかな?があったと思うんだけど、ロクに叩いてなかったように思う。
とにかく色んな人がいた。アー写としてストリートファイターⅡのキャラクターの集合画像があがっているのを見たことがあるけれど、今思えばあれは実に上手いこと表していた。
ただのジャージ、半裸、セーラー服、甚平、インドの民族衣装のサリーっぽいやつなどなど、多国籍無秩序にもほどがある出で立ちで歌って踊って乱れる姿は、なんじゃこりゃ!と思いながらも引き込まれてしまうのだった。
「戦場のメリークリスマス」をもろに拝借したメロディで、
『俺たちは ひょうきんさ ふざけてる いつでも』
と歌いながら男も女も全裸になっていく光景は、アンダーグラウンドのイケナイ部分を見ているようで、深夜感満載。
そしてとにかくダイブ、ダイブ、ダイブ!
だいたい誰かしらが宙を舞っている状況だと言っても過言ではないだろう。前列で見ていた自分は興奮の最中にメガネを紛失していた。女性の裸を自主規制したのかも知れない。なんてウブなやつなんだ俺は。
終わった後、どんなライブだったかほとんど覚えていなかった。でもまた見たい、もみくちゃになりたいという感情があった。
語弊しかないかも知れないが、一回ヤッた女性を好きになってしまう感覚に似ている。
ウブなはずじゃなかったのか。






最後はDaisybarにて「New Action!」。DJプレイにゲストが入るらしかったので見に行った。
あられもない女子、「ぱいぱいでか美」のステージングもここで初めて拝見。一曲だけではあったけれども、楽曲で真っ当にアイドルしていながら、「こんな時間まで残ってたんでしょ!?楽しまないでどうするの!」と観客を煽りながら自身もダイブしていた姿のギャップに惹かれた。


そしてゲストアクトとして「NATURE DANGER GANG」。なんともう一度。
さきほどの余韻をモロに引きずったまま、また前方で見ていた。
およそ10分ほどのステージで、先ほどよりも短いセットリストながら、やはり存在感はバツグン。
DJ卓が置かれた狭いステージ上で押し合い圧し合いながら、かわるがわる色んな出演者が前へ出て歌っていた。
なんだかさっきのMosaicでの演奏よりも歌詞が聞きとれるのが不思議だった。とにかく音圧で押していたMosaicと違って、音作りが変わると少し印象も


最後のお別れはDJにて。
一番最後に流れた「Yogee New Waves」の【CLIMAX NIGHT】が素晴らしい心地よさだった。
もう朝方だったのだけれども、夜が終わっちゃう!という名残惜しさでずるずるしちゃう現実が歌詞とリンクしていたところが印象的であった。
この曲の最後のコーラスが、帰宅するまでいつまでもいつまでも頭に流れていた。







どの時間にどんな音楽が流れているかというのは非常に重要なことで、むしろその時間にそれを見たからこそ、グッと引き込まれるものが多かったように思う。
野外フェスではそれがもっと顕著なのかも知れないけれど、深夜の地下、ライブハウスでひっそりと大騒ぎしている様は、ひっそりと自分の中で大切にしておきたい空間ではあった。
その音楽と時間の関係でより惹きこまれたのが、今回は「NATURE DANGER GANG」と朝方にDJで流れた「Yogee New Waves」。
片一方はDJの選曲であるし、ベストアクトというとなんだか変な感じもするけれど、この日のことを思い出すには必ずこのバンド名が出てくるのではと思っている。

すっかり終電を逃した夜に、すっかり明るくなってしまった夜明けに、こんな素晴らしい音楽たちで踊っていたという事実は自分をひどく感傷的にさせるのであった。

ってセンチになってる場合じゃない!どうせここで見つけた音楽を聴きにまたライブハウスへと足を運ばせるのだろう。あー楽しみだ!