2/25、久しぶりにライブレポートのようなものを書かせていただきます。

ほぼ初見のバンドばっかりではあったけれど、それでもあっという間の一夜だった。
これからの音楽シーンを「変えてくれそうな人たち」という印象だったけれど、終演後には、「変えてほしい人たち」に変わっていた。

サウンドクラウドで編集してみたけどどうだろう。



インターネットラジオ、radioDTMという番組がある。

邦楽インディーズのアーティストを毎週ゲストで招いて、楽曲を聴きながらその音楽の魅力を探るポッドキャスト番組。


そんな番組が主催する、「Two Match Too Much」という、今回で二回目のこの企画。

radioDTMにしか出来ない、「そうくるか」と思わせるブッキングで演出するツーマンライブである。





開演時間に先立って、オープニングアクトとして登場したのはbutaji

アコギ一本の弾き語りに、エレクトロニカ混じりの宅録音源をのっけて歌う、シンガーソングライター。



ステージに一人腰かけ、アコースティックギターをつま弾いて歌い始めた。


小柄な見た目からは想像つかない、渋くて甘い歌声。渋いと甘いが両立するなんて!

と、ビックリしているうちに、横に置かれた機材のスイッチが押された。
スポットライト一つで照らされたシックな雰囲気からがらりと世界が変わる。
浮遊感のあるエレクトロニカに、ミラーボールがとても綺麗に映えていた。これに彼の歌声が溶け込む。
「シティーボーイ☆」というタイトルの音源も発表されているように、どこか都会的な雰囲気を持つ楽曲と、それに彩られた打ち込みによる浮遊感は独自のもの。


後半はペンネンネンネンネン・ネネムズのバンドメンバーがバックについた編成となる。
butaji自身がスタッフをやっているバンドであるのだけれど、それを後ろに従えさせる姿はさながら下克上。
そのバンド編成で演奏された、「東京タワーとスカイツリー」は名演であった。
エフェクティブなエレキギターとキーボードが世界観を広げる。そこから聞こえてくる歌声に、打ち込みとはまた違ったトリップ感を味わえる。




なんとその模様がしっかりと録音されて、サウンドクラウドにアップされていた!
イントロでサビをなぞるというベタなアレンジがしっくりくる。色っぽいメロディなんだこれが。


続いてここからがツーマンイベントの本編。




Awesome City Clubは5人編成の登場。

アー写を見ても、radioDTM出演の際にも、4人編成であったと記憶していたのだけれど、新しく加わっていたサポートのシンセ&ボーカルはもはや無くてはならない存在だったように思う。

裏声も駆使する高音のボーカルと、ミドルテンポのブラックミュージックを彷彿とさせる落ち着いたノリが持ち味。

唯一打ち込み音源を使用した、「愛ゆえに深度深い」ではラップも飛び出す。

あらゆるジャンルをブラックミュージックという一本柱に落とし込んだような洗練されたバンドアレンジは、バンド歴の短さを全く感じさせず、存分に彼らの味が出ていた。





それにしてもコーラスとか関係なしに歌詞を口ずさみながら演奏している姿は本当に楽しそうで、見ていてなんだか嬉しい。ドラムの方が特に。心のほぐれる演奏スタイルでした。





トリを飾るのはHAPPY

2012年結成ながら、昨年のサマーソニック出演を果たし、今最も注目を集めているインディーズバンドと言っても過言ではないだろう。


違う国の香りがした。いつか聴いたことのあるような洋楽が目の前で演奏されていて、60年代や70年代の洋楽を消化して、純粋に放出したような感じとどこかに書いてあったのを思い出した。

特に「Time Will Go On」は、親しみやすいメロディに少しぼかされたヴォーカルが加わり、初めて聴くのにどこか懐かしいサウンドで、もはや民謡のようであった。





これも似た雰囲気の楽曲。民謡感あると思うんだけどなぁ。

気が付けば結構な人でフロアが埋め尽くされていて、大盛況のうちに終わっていた。

拍手の中、アンコールに出てきた彼らは、出来上がったばかりの新曲を披露してくれた。
「温かく見守って下さい」と笑みを浮かべながら演奏を始めたところに、彼らの若者らしい部分が垣間見れたような気が。
とにかくそれまでは若者離れしたような楽曲たちばかりであったところから、ふとそういう表情を見て、あぁしっかり若者なんだなと思う。
それとともに、逆説的に今までの楽曲たちをそんな若者たちが演奏していたという事実への驚きが改めてこみ上げたのだった。
 


Awesome City Clubのライブ中のMCが、まさにこのイベントについてをうまく表していた。


「最近はBPMの速い楽曲が多いけれど、このイベントの出演者全員、BPMがそこまで速くない音楽をやっている。踊りにくいかも知れないけれど、ゆったりと楽しんでほしい」


というようなこと。
終わってみれば本当にその通りの出演陣。それぞれのキャラは全く違うけれども一貫性があった。
お酒を飲みながら、楽しくもしっとりと聴けて、ちょっと体を動かすのがとても心地よい音楽ばかりだったように思う。

初見のバンドばかりであったけれど、楽しみ方、踊り方は出演者自身が体現していたように思う。
それを見て、真似して楽しんでいるうちに、あっという間に終演していたのであった。



BPMと言えば、インディーズシーンからポッと抜け出して、いち早く大きな舞台で演奏しているバンド達は、どうやらBPMが速くてとにかくキャッチーな曲を持っている、というのが多いような傾向にあるっぽい。
ちょっぴり飽和してきたかなという気持ちも少なからずあるのだけれど、そんな流れを変えてくれそうな人たち、すなわちこれからの音楽シーンに新しい風を吹かせてくれそうな人たちが集まった一夜だったのでは。

この一夜を体験できたことが自慢になるように、出演者や企画者の方々のこれから益々の活躍を願っております。
つい結婚式みたいな結びにしてしまった。