今回はいつもと趣向を変えて、クラブミュージックよりの楽曲を演奏するバンドをレコメンドさせていただきます。

トリップホップ×エレクトロニカ。
何のことか分からなくてもとりあえず一聴してみてほしい!


eclectic



今回のレコメンドは、CICADAという男女5人組のバンド。
2012年12月に結成されたばかりのまだまだ新しいバンドであるが、昨年末行われたロッキングオン主催のオーディション「RO69JACK」にて入賞するという経緯を持つ。

今回ご紹介する「Eclectic」という5曲入りのミニアルバムは、ライブ会場とネット販売のみだったのであるが、この度残響レコードでも取り扱いされることになったそうだ。めでたい!


女性ボーカルをセンターに、彼らが鳴らすのは今まで紹介してきたバンドサウンドとはまた異なる印象。

でも間違いなくおすすめしたい音楽。


トリップホップというジャンルはこのバンドのおかげで知った。

言葉の意味が気になってwikipediaで調べてみたら、エレクトロニカと同義のように書かれていたけれど、さすがに乱暴すぎないだろうか…?

短いフレーズをミニマルに繰り返すことによって生まれるグルーヴ感を持ち味としており、ヒップホップのトラックよりも気だるさが際立つような。そのあたりがトリップホップの大きな意義であるのとともに、他ジャンルの楽曲と異なる部分であると思うのだけれど、そのへんどうなんだろう。

ジャンル分けって難しい。
 

このバンドの面白いところは、そのトリップホップにエレクトロニカの持つ奥行きや浮遊感を混ぜつつ、人力のバンドスタイルで表現するところ。
ここでぜひアルバム収録曲を聴きながら雰囲気を感じ取ってもらえれば。






キーボードの生み出す深淵な響き。これがエレクトロニカの要素の大きな一因となって世界観を演出。
そしてそれに推進力を与えるシンプルで洗練されたベースとドラム。
ドラムセットはハイハット、スネア、バスドラムと必要最低限で、むしろこれ以上は野暮になりそう。
気だるさ、というキーワードを挙げたけれども、CICADAの音楽はこの推進力のあるビートによってむしろ心地良くひたすら前進する。
5人というどちらかというと大きめな編成でありながらも、決して派手にならず綿密に音符を刻む姿に、職人肌を感じる。


CICADAの特色として、さらにそのサウンドにのっかる女性ボーカルも欠かせない。
Vo.城戸の爽やかでどこか芯のある歌声は、楽曲特有の浮遊感を助長させるし、馴染みのないはずのジャンルでもすんなり体に入る。これが彼らなりのキャッチーさかも。


朝もやの漂う少し湿っぽい森林を深呼吸しながら歩くような印象を受けた。湿度を感じる。
温度は冷たく、吸った空気が肺に届くのを実感できるような。マイナスイオン!

トリップってなんだか音量の大きい物騒なイメージもちらりとあったのだけれど、まるでヒーリングのようなトリップを体感することができる。
って書くとなんだか胡散臭くもなりそうだけれど、楽曲を聴いていただければ分かっていただけるのでは。



このゆったりとした「夜のおわり」を一曲目としてアルバムが始まるのだが、他にもハイハットの刻みが小気味よい「Ahh」や表題曲「Eclectic」など、よりダンサブルな仕上がりになっている楽曲も収録されている。
クラブミュージックを源流とする、踊れる要素というものをより感じることが出来るはず。


1stデモをリリースしたのちの、このミニアルバム。まだ音源としては二枚目なのだ。
まだまだ可能性を秘めたバンドである。末恐ろしい。

CICADAらしいというような個性がすでに感じられて、魅力的。
他のバンドと被らない音楽というのは目が離せず、このままこういった表現を伸ばしていってくれると、音楽シーンに一石投じられるようなバンドになるのでは。

と過度な期待をすると、このような過度なレコメンドとなるわけで。
でも、面白くなるといいなぁ。