今回レコメンドするのは関西を中心に活動している、「溺れたエビの検死報告書」というバンド。


一度聞いたら忘れられないバンド名、

一度見たら忘れられないビジュアル、

もちろん音楽もただただカッコいい。




最近、バンド名は面白いんだけど、音楽はただのよくあるギターロックみたいのが多くて、面白味に欠ける。
第一印象であるバンド名から、ほいほい引っかかる自分としては、音源を視聴してから、「またこのパターンか…」と苦汁を味わっていたのだけれど、このバンドは違った。


ビジュアル含めてインパクトありなので、是非ともここでライブ映像を。







どうっすかこれ。完璧です。
メジャーでは某オオカミバンドがのさばっておりますが、アンダーグラウンドではエビですよ。

バンド名が面白かったり、何やらすごそうな響きの人たちって、楽曲やビジュアルが名前負けしてしまっていることが多くて、それががっかりの大きな要因かと。

ただ、彼らにはそんながっかりはなかった。


この楽曲、「ワシャワシャ!!グギャギャギャギャ!!!」は暴れ回るアップライトベースを主軸に構成された、インストのジャムセッションのようなただただ踊れる楽曲群。
「バンド」と言っているけれど、バンドスタイルではあまり見られない楽器たちが入っているのも面白いところ。
そもそもアップライトベースがそうだし、管楽器隊も言わずもがな。他の楽曲には鍵盤打楽器まで入ってる。

特に管楽器隊が加わることにより、彩られる特撮感も彼らの特徴の一つ。
これがエビのビジュアルとも相まって、「とんでもないやつらが攻めてきた!!」ような気にさせられる。



見た目のインパクトもさることながら、エビの被り物(とか言ったら怒られるのだろうか)による匿名性も重要そう。

類を見ない独特のフォルムは、裏を返せばこれさえ装着すれば、誰であれバンドメンバーに成り得るということ。
ライブのたびにメンバーの流動があって、様々な編成でライブをしているみたい。
ジャムっぽさが主軸にあるから、きっとどんなアーティストも飲み込んで一体化してしまえるのだろう。
この可能性の伸びしろも面白みの一つ。



ここまで書いておいてアレだけど、実はまだライブには行ったことがない。
音源やインターネットでの情報を駆使して書いているのだけれども、インターネットで新しい音楽をディグる楽しさを再発見させてくれた素敵なバンドである。

ちょっと申し訳ない気持ちもあるけれども…。


「溺れたエビの検死報告書」
名前覚えた?笑

そもそも、検死とか言っておきながら、こんなにも生き生きとしているではないか!

ホラーアクションゲーム「バイオハザード」に出てくる日誌みたいなイメージが。
検死の日誌のはずなのに、研究者がだんだん違和感を持ち初めて、最後は研究者のほうが謎の死。みたいな。
文体が恐怖に染まってきて、真相は分からないまま死んでしまうのだ。こちら側に不気味な余韻だけ残して。


ライブ映像だけでも、そんな不気味さ、得体の知れなさを感じることが出来ないだろうか。


ん?むしろ溺れたエビが人類を検死しているのか…?
もはや言葉遊びになってきたのでやめておく。



アルバム「アノマロカリス」が3月に発売してから、ライブの本数は決して多くないものの、コンスタントにライブを行っているようだ。

関東在住の自分としては、東へ侵攻してきてくれる機会が増えることをただただ楽しみにしているのである。