音楽八分目presents「眼で聴く八分目」

無事終了いたしました!
ご来場いただいた方々、ご出演いただいた方々、私のわがままに付き合っていただき、本当にありがとうございました。

来場者特典のインタビュー集、読んでいただけましたでしょうか?
いつもインタビューというと、アーティストの音源についてがほとんどで、音源という媒体からその人の人間性を引き出すようなもの、またはそれ以下のものが多くあるのが実体かなと思っていたので、今回はそれを取っ払って半ばフリートークに近い形をもってインタビューすることにしました。軽くテーマは組みましたが、それを通じてその人の音楽がより面白くなるヒントになればいいかなと思っております。
音源以前の、ライブをやるということ、音楽をやるということ、自身の音楽についてのこと、たくさんお聴きすることが出来たかと。

せっかくなのでそんなインタビューからの引用も挟んだりしながら、各出演者のライブレポの形を借りた何かを。


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・アユイロメガネ
レコーディング後、バンドスタイルではおそらく二回目のステージだっただろうか。
ちょっと怪しげな「屋台でお菓子」からスタート。アユイロメガネ流のお囃子ソングのようなこの曲から幕を開け、バラード「悲しくなんかないのです」も挟みつつ展開されるセットリストに、一曲ごとに印象の変わる楽曲群の存在感を相変わらず感じる。毎回のライブでも感じ方が変わったり、新たな発見があるのはきっとサポートのパワーも大きくあることだろう。
中でも「なによりも、へいおんを!」のサビが突き抜けるように響き渡っているようで、一番のエモーショナルっぷりを感じさせられた。

「【なによりも、へいおんを!】を平和な歌だと思ってもらってもいいし、病んでる歌だと思ってもらってもいいし。自分の手を離れた時点で、綺麗に渡せるようにしたいですね。」

とあゆさんは話していたけれど、この日はこの曲にすこぶる祝福された気分でした。
MCでは音楽八分目の宣伝までしていただきまして、多謝。


一番手をお願いしたのは、この日出演する全てのアーティストに通ずるエッセンスを持ち合わせていると感じていたため。このバンドから広がっていく一夜はとっても面白いものになるであろうと思ったのだ。
現にこの演奏が終わった後の転換時間は、夢心地のようなとても幸福なものだった。
思えば、アユイロメガネをお誘いしたところからこの企画は始まったようなものです。どうもありがとうございました。



・アサトアキラと泣いてばっかのヒルギ
二番手はコチラ。
お誘いしたときはスリーピースのバンドスタイルが出来たてのころで、インタビューのときに、9/12にはギターも入った四人編成で演奏していただけることを教えていただき、テンションが上がっていたのを今でも覚えている。「うわ、まじすか!やった!」とか言ってたような気がする。

多幸感に満ちたサウンドの「タワレコの先輩のバンド」「Happy end」なども演奏し、バンドスタイルでめきめき成長している(と思う)「タマシイノウリカタ」も聴くことが出来て、彼らの魅力を余すところなく感じられるセットリストだったように思う。

ステージ後半、比較的広めのステージをギターを降ろして動き回るボーカル、アサトアキラの姿。
少しでも自分たちの存在を刻み付けていくかのようなステージに、「出会い」と「別れ」についてインタビューで語っていた彼の姿がかぶった。

「ライブで出会った人の中で俺を忘れてしまったら、生きてようが死んでようが関係ないじゃないですか。だからいい音楽残さなきゃなって全力で思いますね。」

まさにそれを表現しているかのような楽曲が「Happy end」であった。
個人的に誘った友人が、彼らのライブに感動して、音源を買ったと嬉しそうに報告してくれたのが、とても印象的だった。素敵な出会いの一因を担えてとても嬉しかった。いい音楽、残せたんじゃないでしょうか。
MCでも話していたことであるが、西川口でだいぶ前に見た弾き語りから、僕が勝手に記事を書いて、企画にお誘いして、バンドスタイルとして出演していただくことになった今。ふとした出会いから繋がって今回に至ったのは奇跡と言っても過言ではないでしょう。




・クウチュウ戦
ここから会場の雰囲気がガラリと変わる。
リハの合間に買ってきた観葉植物をステージに置いて、派手な衣装に身を包んで登場した彼ら。SEも無く、ステージ上で簡単にリハをして、vo./gt.リヨの「はい、お待たせー。クウチュウ戦。」の一言で始まる。
それだけでも異質な雰囲気なのに、そこから放たれるプログレと、彼の歌声。

「やっぱ歌じゃないっすか、プログレって」
と彼はインタビューでも話してくれた。そのビブラートの印象がいつもよりちょっと違った感じに聴こえて面白い。

「白い十代」
から始まって、アルバム未収録の新曲も交えたセットリスト。
「プログレやりつつ分かりやすさをどう追求するか。」
が、これからのテーマにもなっているというようなことをインタビューでお聞きすることができたのだが、1stアルバム「プログレ」からさらに聴きやすい楽曲、アクは無いけど彼らのクセはそのまま残った楽曲が生まれてきているような気がしている。さらに歌詞やサウンドからSF感、宇宙感、が増しているようで、それもまた興味深いポイント。

「雰囲気とか世界観とかそういうものは直接ライブを見に行かないと伝わらない。いいバンドだったらそのバンドにしか出せないオーラがあると思う。それが【ライブ感】なんじゃないですかね。その会場でしか体感できないものというか」


本当に良いことを言ってくださった。これを踏まえてライブ感というものを定義づけるなら、彼らのステージを実際見た方ならまさに彼らこそそれを体現していると言えるステージングだったのではないだろうか。
余談ではあるが、リヨくんは僕の一つ年下で、誕生日が全く一緒だった。同じ誕生日の人を見つけたのは初めてで、しかもこの人という衝撃はあの日一番のものであった。



・大森靖子
トリは、このブログでも何度も書いている彼女にお願いした。どんな後味でみんな帰るんだろうと勝手にワクワクしていたのはここだけの秘密にしておきたい。
諸事情で午後のリハに参加出来なかった彼女。観客を前にステージで音を調整していくも、返しが足りないみたいで、PAに合図を送るやりとりが繰り返される。ピリっとしたムードが漂う中、ライブが始まった。

セットリストは基本的に考えないという彼女だが、「あれそれ」「over the party」と言った比較的新しめの楽曲から、「パーティドレス」「君と映画」「展覧会の絵」など定番曲や古めの楽曲まで縦横無尽に演奏していた。アカペラでよく披露されていた「さようなら」は、今回は弾き語りスタイルで演奏され、ちょっとレアだったのでは。インタビューで引き合いに出した「高円寺」がなかでも圧巻の演奏だった。感情そのままに揺れ動くスピード感と強弱にただただ飲み込まれているうちに終わっていた。
声を張り上げるような場面がいつもより少ないように感じ、それよりもささやくような小さな声で歌われるフレーズに、こちらの緊張感も高まる。一対一で歌われているかのような距離感の錯覚もきっとこの声の成せるものだろう。

「自分が音楽を操るというより、音に(飼われてる)という印象が強いです」

楽曲によって印象の変わる歌声について「高円寺」の歌詞を少し引用させていただいて、キャラクターを(飼っている)ような印象を受けるという話をしたところの答え。
残念ながら時間がとれず、メールでのインタビューとなったが、なるほどなぁと考えさせられる一文ばかりであった。これもその一部。

MCはほとんど無く、チューニングもほとんどせず、次々と楽曲を紡立て続けに演奏を続けていく姿に、少しの衣擦れすら雑音に感じるような張り詰めた雰囲気の中、あっという間に本編終了。
アンコールで出てくる彼女は「何やりましょうか…?もう満足しちゃったんですけど」と言ってから、観客のリクエストに応えた「KITTY’S BLUES」から始まり、3曲も演奏していただいた。




「ライブ感」「歌心」をテーマにした今回の企画。
見ていただけた方にはなんとなくでもその意味を感じとっていただければ幸いです。

せっかくの4組なので、起・承・転・結に沿って、順番を組みました。
順番はもとよりそもそものブッキングも含めて、色々な人に、変態だね。と言われましたが、褒め言葉と苦情の両方の意思を感じております。
反省点も多々あるなかで、「初企画でこのメンツを集めたのは、ほんとによくやったね」とある方にいただいた言葉が忘れられません。
今度はめちゃくちゃ明るい方向の音楽だけを集めてみたいなと考えております。
もし、良ければまたお付き合い下さい。またやらせて下さい。

本当に、ありがとうございました。


ふじーよしたか

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