完全にPV一目ぼれのハードコアファンクバンド!
スリーピースで構築された表現の緻密さと、それに相反する衝動的な題材。
「恋ってなんなの?好きってなんなの?うわーもうわkぐちゃぐちゃ」な音楽で表現したらこうなった。

385


385(さんはちご)というバンド。
Ba./Vo.の激しいスラップとデスボイスから構成される「わけのわからない」音楽性(プロフィールから拝借)が特徴のスリーピースバンド。

5月8日に1stフルアルバム「人間」を発売し、タワレコで劇的なプッシュを受けてたので、調べてみたところ、以前見たことのあったPV(脳みそあらおう)があった。
簡単に聞き流してしまってたなぁと思ってたら「人間」から新しいPVが公開されていた。
それが今回のおすすめ。


「恋がわからない」








そうそう、Ba./Vo.のMIYAは女性なのだ。
それでこの圧巻のプレイング。はちゃめちゃなメロディにはちゃめちゃに入り混じるベースラインとキーボード。
「脳みそあらおう」じゃないけれど、ライブハウスでは頭をスッカラカンにして楽しめそう。


衝動ばかりを感じるようなこういう演奏に、一際光るのがキーボードが演出する雰囲気。
空想、妄想 もう要らない の部分なんかはこの曲のキモなんじゃないかなと勝手に考えてる。
Aメロ(でいいのかな)の歌に合わせたタイトなリズムで刻んだあとのこの流れは、個人的には緩急がはっきりしていてとても好み。初見のとき、この展開に、うわーおっしゃれー。とか呟いてた覚えがある。
スリーピースという編成ではスカスカで物足りなく聞こえそうな部分を、あえてばっさり音を切ることによって引き締めたり、スラップで暴れまわるベースラインで埋めたり、キーボードの音作りで演出したりと、表現の伸び幅がたくさんあるのも特徴的。


最初にこのPVを見たときは恋愛のムシャクシャに共感しつつも、狂気とともに演奏されるその姿に驚いて言葉を失った。
なんだろうこの感じ。さくらももこ(ちびまる子ちゃん)が思春期に恋愛をこじらせて発狂しているかのような。
このこじらせてる感。好きになるってのはそもそもなんなのか、ある種少女漫画の冒頭のようなピュアにも見える感情も、見方によってはドロドロだったりグチャグチャかも知れない。そんな矛先の定まらない感情の爆発と音楽性がぴったりで、歌詞だけでなくメロディやら曲の展開からダイレクトにそういったものが伝わってくるのが新鮮。


「わけのわからない」音楽性。とプロフィールに書き込まれているように、まさにそのわけのわからなさと衝動的なモチーフが、非常に相性がよいということは分かったけれど、果たして他の題材でどのような音を鳴らすのか気になるところだったので、早速アルバム買ってきた。
まんまとPVに乗せられたわけです。この気持ちはなんなんだ?恋か?