ライブレポートが立て続けだけれど、面白いライブだったので。

元々これで記事を書こうなんて全く思ってなかったので、写真もセットリストもないのですが、そこはご勘弁を。

4月19日、タワーレコード新宿店にて、
トリプルファイヤー大森靖子のインストアライブ。
二組の代表曲をくっつけた「魔法が使えなかったら殴る」というイベントに行ってきた。




20時開始で、会場に着いたのは10分前だっただろうか。
平日まっただ中にも関わらず、沢山の人。

まず舞台に上がったのはトリプルファイヤー。
大入りの観客を見て、「すげぇ人じゃん。」「やべぇな。」ともらすVo.吉田。
観客の一笑いを自然体でかっさらうのは、なんだかさすが。というかなんというか。笑


アルバムからは「抱きしめたい」「次やったら殴る」「エキサイティングフラッシュ」を演奏していたが、それだけでなく比較的最近の新曲も。
「声出せー」「両手あげろー」「いえーい!」
などの煽りを色々なテンションで散りばめる新曲、さながら人力サンプリングのよう。

個人的には「声出せー」のローテンション具合がつぼ。

アルバム未収録の「スキルアップ」も演奏。
本当に何度聴いても不思議な歌詞。単純作業の内容を子どもの作文のように順を追って説明するだけなんだけども、ハイライトとも言える「ありがとうございます!」でちょっとグッときてしまう。


初めてライブを見たときは、そんなスタイルとそれに盛り上がる観客の姿を見て、こんな音楽もありか!とびっくりして引き付けられたが、音源を聴いてから見るライブはまた別の魅力があった。
曲ごとのキメに対して、くるぞくるぞと身構える高揚感と、いざそれが来たときの解放感。
ひたすらタイトにフレーズを演奏する楽器隊もその高揚感を演出している。
心の緩急を操られて、気付いたら翻弄されていたようだ。
そんな鉄板ネタを何曲も持っているという事と、アルバム未収録曲にもそんな箇所が随所に見られるところに彼らのポテンシャルを感じた。





続いて大森靖子がステージに。
彼女のセッティングの段階でBGMがアルバム「魔法が使えないなら死にたい」だったのだが、「音楽を捨てよ、そして音楽へ」のイントロ、愛してるよのリフレインが左右のスピーカーから聞こえてきて、すでにちょっとしたトリップ感。

曲間にチューニングすら挟まず、その時間があるのなら一曲でも多くというような駆け抜けっぷり。
ときどきインストアでやってることを心配に思うくらい爆音でかき鳴らされるギターに、迫力を超えて威圧感すら感じた。


ライブで披露した「音楽を~」の後半、音楽は魔法ではないとギターと声で繰り返しがなり立てる彼女の姿がそれはもう可愛くないし、強烈なインパクト。
しかし、タワレコ即席の文字通りハンドメイドなステージで楽しげに歌う「ハンドメイドホーム」や、
「ご一緒にー」と言ってワンフレーズを観客にも歌わせた「あたし天使の堪忍袋」
ギターを置いて歌声と身振りだけで歌い上げた「さようなら」など、
曲ごとに様々な表情を見せる彼女を見て、音楽は魔法だなぁとふと思う。
もちろん魔法だなんて一言で片づけてしまうのも失礼な話であるが、まるで多重人格のように様々なキャラクターが入り乱れるのを目の当たりにすると、あーだこーだ並べるよりも一番適した言葉のような気がした。


彼女のライブでは、音楽が魔法になる瞬間を垣間見れる。




一見して共通点の見当たらない組み合わせだったが、いざ体感してみると心を揺さぶるものがあるという意味で共通の武器を持つ二組であった。
いったんCDを発売して、次なるステップに向かっているところであろうが、この武器が今後どう変化を遂げていくかが非常に楽しみ。