初のシングルは両A面!
ライブ音源も入ってボリューム感たっぷりの一枚。
ライブハウスで先行入手したので、一般発売に合わせてレコメンド!


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今回取り上げるのは壊れかけのテープレコーダーズのシングル。
これまで4枚のアルバム(うち1つはライブアルバム)を発売していたが、シングルは初。しかも両A面。
新宿Motionでのいつかのライブで初めて聴いた「踊り場から、ずっと」に心打たれ、「死んでも買います!」とか言ったのを今でも覚えている。
全国流通は3/13からだが、ライブハウスでの先行販売によって、このタイミングに書くことができた。


壊れかけのテープレコーダーズ
ギター、ベース、ドラム、の編成に加え、オルガンが入っているのが大きな特徴の一つ。
シューゲイザーを感じさせるノイジーなギターサウンド、その陰の中に女性コーラスとオルガンが陽を演出し…。
と、思っていたのだが、今回のシングルでガラっと印象が変わった。


今回のA面となっている2曲は、どちらも陽に向かっているサウンドだった。
「踊り場から、ずっと」はこれまでのサウンドを飛びぬけてポップに昇華していた。ギターのカッティングとベースのビートがさらにスピード感に拍車をかける。メロディも展開もシンプルで一曲があっという間。

「羽があれば」で一転、どっしりとしたテンポ感にギターとオルガンで壮大に演出される世界が広がる。
その中掛け合いで歌われる男女のツインボーカルが映える。


陽に向かっているサウンド、と書いた。でも詩はどことなく暗い。


歌う声は空っぽだろう
飲み残した缶コーヒーで 最後の火種は消されるのさ

見てた 眺めてた 踊り舞う君を、ずっと

過ぎ去った、踊り出す気持ち
何もないまま でも 踊り場から、ずっと

「踊り場から、ずっと」


羽があれば 僕は はばかる壁、超えられた
晴れ渡る空へと 馳せた想いは

「羽があれば」


両A面になっているからか、互いに補い合っているような詩の内容に感じた。

踊り場で羽を剥がれ朽ちた天使達へ

のキャッチコピーを見て、羽を「持っていた」人達へのメッセージなのだと悟った。
「過ぎ去った」踊り出す気持ちとも合わさって、歌詞からは挫折感が漂う。
それでも、サウンドは限りなく明るい。
二曲合わせて逆境に立ち向かうような作りに感じさせるとともに、「羽があれば」では、

羽があればなんて馬鹿げた歌 うたうのはやめた
俺はいちぬけた

とも歌っている。

羽を失ったことを現実に受け止め、新たに歩みを進めることを歌うがゆえのポップなサウンドなのかも知れない。
前作「ハレルヤ」で賛美歌とも形容された彼らのサウンドは、今作でも挫折を味わった人々をしっかりと讃えている。




ライブ音源も収録されているが、それは買ってからのお楽しみ。
もう一つ、個人的にはディスクの盤面も楽しみにしてほしいと思う。
オルガンに映された青空が、悲しくなるほど美しい。