パンパンの塔というバンド、このブログ立ち上げて比較的すぐに、ライブ映像を見て感じたものを書き連ねたっきりだった。
なんだかそれも悔しいので、CDも発売したことだし、今回はディスクレコメンドの形をとってちゃんと書いていこうと思う。

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前回書いたときはパンパンの塔という名義でCDは無く、ボーカル主催の前身バンドやボーカル自身の弾き語り音源のみがあった。
今回取り上げるのは、昨年12月にリリースされた「音楽は止まった」という7曲入りの音源。


ライブ映像にあった「水色」「まんまるお月様」「骨」も入っており、中でも個人的には「骨」が音源化されたのがなんだか意外であった。
一番アクが強いとでも言おうか。独特の陰鬱さと不思議さ、ファンタジーのようであるし、そういった言葉で限りなくファンタジーに近づけたドキュメンタリーのようでもあった。
メンバーのアドリブのSEの雰囲気や、詩的な間など、なんとなくライブでの表現力がとても強いイメージがあったので、音源になるなんて思ってもみなかった。
「まんまるお月様」も緩急の差が増し、よりドラマティックなアレンジになっているのが嬉しい。


機関銃のようにたたみ掛ける語り口はどの曲にも随所に散りばめられている。個人的にはRADWIMPSのような印象もちらついた。
アコースティックギターならではのざくざくとしたビート感と、溢れ出るままに書き連ねたような詩が耳を駆け巡るのは単純にすごい気持ちがいい。


なんだかシュールでグロテスクな言葉が散りばめられてるのも独自の世界観の一因かなと。

やせ細った傷のカサブタになる前のパレード(パレード)

三年間ねかせた心臓の匂い(空色)

遠くに見える紫の夕焼けとハリボテのような黒い街を眺めた(骨)

どういうきっかけで出てきた言葉なのかとても気になる。
こっそりと童話に潜む怖さに近い、よく知った世界に潜む決して美しくない事実とか感情を聴いているような気分。
よく知った言葉がよく分からない組み合わせをしているからこその、不気味さや得体の知れなさがある。



標題曲「音楽は止まった」にPVがある。
とても可愛らしく、一筋縄ではない。





全ての登場人物が壊れてはまた別の物体に構築される姿を見て、

音楽は止まった
だけどあなたは止まんない

の一節が思い起こされた。
音楽のもつ様々な要素を、愛と憎しみ等の対比によって象徴したこの曲に、繰り返すように破壊と再構築を描く映像が奇妙なマッチング。


そういえば、「音楽は止まった」の
奥 深く 横たわる
真っ白で真っ暗なもの

にという言葉に沿ったのか、盤面もジャケットも色が全くない。
これが音楽そのものを表した言葉だとしたら、音楽そのものの表現媒体が白地に黒というのもなんだか比喩的で面白い。

果たしてこれからどんな音楽で色をつけていくのかも気になるところ。



そういえば見返すとこの記事では歌詞という言葉を使わなかった。
インタビューなんかを見ると、本人達は早口部分をラップと表現していたが、なんだか違和感を感じていた。
ラップを聴いていると思えば歌詞と書いたかも知れないが、なんだか無意識のうちにこれは言葉と感じていたようだ。
この差はどこから表れていたのか、ちょっとまだ分からないけれど、ラップでなく言葉の羅列(悪い意味でなく)と思うんだな。まだまだこちらの表現力が足りず、申し訳ない。


そういう部分に関して、「音楽は止まった」の一節。

夕方5時に思い出立ち読み ダイダイ色に染まった気らしい
どこの空見れど駄文はだんだんダンスしだして歌うたいみたい

ここを聴いた瞬間にこのCD買ってよかったなと思ったのだった。