FoZZtoneのボーカリスト、渡會将士のソロミニアルバム。


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弾き語りだけでなく、バンドサウンドも詰まった5+1曲のボリューム。
ひっそり発売されたこのミニアルバム。いつものバンドとはまた違ったサウンドで、彼の多面性と魅力が別の視点から味わうことの出来る一枚。




ちょうどいい画像が無く、直撮りで申し訳ない。


多種多様な音楽性(最近は土俗的音楽が流行り?)と歌詞の文学的アプローチ、深読みし甲斐のある音楽が魅力的なバンド、FoZZtone
録音自由なライブツアーや、リスナー自身で好きに曲順を選曲できるオーダーメイドアルバムの発売など、これまでに画期的な企画も多かった。
オーダーメイドアルバムに関しては、過去にひとつ記事を書いたが、このたびそれが第三弾「ORDER MADE ALBUM BEST」の発売となり、記念の意味も込めて、改めてFoZZtoneに関する音楽を取り上げることに。



今回はそのボーカル、渡會将士がこのたびひっそり発売したソロミニアルバムについて。
ひっそりというのも、現在取り扱っている場所がほとんど無く、関東では「下北沢GARAGE」、関西では大阪の「cafe Room」と、全国でいまだ二箇所だけ。
順次取り扱い店舗も増えていくだろうと思っていたが、なんだかそんな動きもないので、興味のある人は自分で探して買ってくれというようなスタンスなのかも知れない。



バンドでのライブ活動だけでなく、渡會自身の個人の弾き語りでも多数ライブ出演しており、バンドの弾き語りバージョンを演奏していたと記憶していたが、このたびソロ作品集という形で、ソロオリジナルの曲が詰まったアルバムとなっている。

弾き語りばかりかと思ってたら、そうじゃなかった。
配信限定いくつかフリーダウンロードを許可していた音源なども収録されていて、ミニアルバムとはいえ、5+1曲のボリューム感。

しっかりバンドアレンジされている曲もあり、もちろん弾き語りもあり、FoZZtoneとはまったく別の方向性で作られた作品であった。



メジャーに進出した初期くらいのFoZZtoneを連想させる、距離感の近い歌詞で恋愛感について歌っている表題曲「夕立ベッドイン」や、マンボをテーマに小気味よく女性を口説いているような「Mambo #6」
どちらの曲もなかなかFoZZtoneには用いられないピアノサウンドが強調され、差別化が伺える。
歌に関しても、メロディを崩すフェイクを多用していてソロシンガーらしい雰囲気。ある意味ワンマンであるからこそ、好きなように歌ってそれに合わせてアレンジしているような。

なんというか、ざっくり言うととても楽しそう。

「Mambo #6」に関してはリミックス音源も収録されている。
ドラムンベースを思わせる軽快なビートに乗っかる歌声がまた新鮮。


これは弾き語りスタイル「FOOL」という曲も収録されている。
過去に同タイトルの曲をバンドで演奏していたみたいだが、果たしてこの曲はどうなのか。当時を知らなかったのが悔やまれる。
ミニー・リパートンの代表曲「Lovin'you」のワンフレーズも登場して、微笑ましいアレンジ。これを聴いて、「Lovin'you」の原曲を買ってしまった。ハイトーンすごいっすね。はこの曲には関係ない。

おそらく別のベクトルで君は僕を抱いている
それにしてもなんて優しくて斬新な歌詞。

上記の歌詞のように、君の気持ちばかり探る僕の視点が描かれているけど、その逆で僕から君への気持ちはごく一部しかない(「I love you」が通じない時もあるね)
あらたまって好きだと言わず、言えず?そこに「Lovin'you」のフレーズがのっかるのは、ちょっと照れ屋な主人公の恋愛を思わされてくすぐったい。


その一方で「THE BULL BULL'sのテーマ」はハードロックな路線。
ゴリゴリのギターリフと、ポエトリー(と言っていいのかどうか)の語り口で繰り広げられるアメリカ南部のお話。
前までの楽曲から一転して真面目にふざけたようなこの曲。振り幅の多彩さゆえに、とても一人のソロ作品集とは思えない。
この曲の、架空のバンドの主題歌。という設定もなんなく頷けるほど、FoZZtoneで見せていたボーカリストの面影はほとんど無い。
ただ時おりハッとさせられる日本語の使いかたが彼らしい。
風邪薬飲んだときの・・・(割愛)とか。


+1曲については購入してからのお楽しみといったところか。熱き血潮。
関東盤と大阪盤では収録曲違うみたい。もちろん関東盤のお話。と、なると大阪版も手に入れたくなるのが本心。


一貫して歌われていたように感じるのは、恋愛感。
絶対的な力を持つ恋愛も人によってはあるかも知れないが、彼の描く恋愛はどこか儚くて淡い。優しいともとれるが、どこかで終わりを予感しているような達観した部分もある。
ささやかな幸福も、別れがあることを前提に視点を変えて見てみると、切なくも映る。

そういったものを比喩で間接的に伝える手法が実にうまい。ダブルミーニングとかきっと大好きなんだろう。
特に「夕立ベッドイン」は恋愛に関しての比喩が顕著に描かれていて、海と夕日と雨の重なり合うモチーフによって、一つの切ない世界観を表現している。ありそうで無かったとはこのことか。今まで歌われていたようで、意外と無かったかも。
これまでのバンドの曲でも上記のモチーフを感じさせる場面があり、やっぱり一人の人間から描かれているんだなぁとニヤリとする。



0.5枚目と銘打たれたこのミニアルバム。
ということは、過剰に期待して待つしかない。



最後にひっそりと弾き語りライブ映像を添えておく。