納得の三人のルーツ。
老若男女誰にでも聴いて欲しいし、口ずさんで欲しい、全年齢推奨コーラスロック。boc




パウンチホイールというスリーピースバンド。

たまたまアコースティックスタイルで初めてライブを見る機会があって、早速CDを購入してしまった。
今日のライブでやった曲が入ってますとのことで買うことを決めた、ライブ会場限定CD「ぼくら」


アコースティックスタイルではあったがライブの印象と、バンドセットで収録されているCDを聴いてみての印象、そこまで変わらなかった。
共通して感じたのは、「みんなのうた」感。
教育テレビのあれ。


CDの内容はSEを除いて3曲構成。
「みらい」「こころ」「ひかり」とタイトルだけでも優しい言葉たちが並ぶ。


「みらい」

未来は今 今が未来
夜は朝 どこかで朝
未来がある 未来があるよって
伝えに行かなきゃ 昨日の僕へ



昔聴いたことのあるようなどこか懐かしい詩の世界の中からちょっとこのバンドのオリジナリティを感じた。


例えば上記の「みらい」のサビ。
伝えたいことが普遍的なことによって詩の内容がごくありきたりなものになってしまいそうな感じていたのだが、最後の一行によって、それが自分充てのメッセージに変わるところ。メロディも合わさって鮮やかな展開を見せた。


この人は自分のことを歌っているんだなぁ。サビ終わりに不思議と身も蓋もない感想を抱いてしまった。
でもよくよく考えるとそれが重要なことだった。
どこかで聴いたことのあるような詩で、ありきたりな綺麗ごとを伝えられても、そんなのは懐かしのJ-popで散々歌われてきたことであり、そのメッセージを用いつつも詩の中でオリジナリティを出していくには、「自分の歌」にするしかないのではないかと思う。

普遍的なメッセージを用いて、「自分の歌」を「みんなのうた」にするためには、個人的な事情がありすぎてもよくない。そのバランスが大切であった。
語弊を恐れずに書くと、このCDで歌っている言葉(単語)は正直ありきたりなものばかり。しかしその組み合わせのワザによって、オリジナリティを保ちつつ、誰でも共感できる歌詞に仕上がっているのが、このバンドの強みである。



そしてサウンド面での特徴的なのは、コーラスワーク。
メンバー全員が歌うことが出来るというのは非常に強い武器。それだけで楽曲に彩りが加わるのが言わずもがなで、もちろんリードボーカルが変えられるという特徴もあるが、積極的なコーラスはこのバンド独自の魅力である。
「こころ」はまさにそれが前面に出た曲。リフレインのように叩きつけられる言葉を伴奏にしつつ、どんどん違う歌詞が展開されていく様はこのバンドでしか出来ない表現。


SEでもコーラスが多様されており、ここまでそれにこだわる理由が気になって調べてみたところ、メンバー全員が合唱部出身であった。納得!

それを踏まえてから聴く「ひかり」は大合唱のアレンジをしてもなんらおかしくない。


光あれ 光あれ 光よ 迷わず 明日へとどけ
やさしい やさしい 光よ とどけ



この曲の大合唱を想像して、ふと思い出したのは、「大地讃頌」。
やっぱり彼らのルーツは楽曲のそこかしこに散らばっているような気がしてならない。

「ぼくら」と名づけられた理由は知る由も無いが、このCDからは、こんな音楽で育ちました、こんな音楽をやってるんですよ、ぼくら。というような彼ら自身の原点に立ち返った一枚だったのではないだろうか。


普遍的な歌詞とテーマ、多種多様に用いられるコーラスからにじみ出る彼らの音楽は、合唱の魅力、学生時代は音楽の授業でむりやり歌わされているような立場だったけれども、なんだかんだ好きだった歌自身の根源的魅力を思い出させてくれた。

あの頃合唱した曲は今でも口ずさめる。

「みんなのうた」に通じるような誰でも口ずさめる楽曲ばかり、きっと彼らは作ってくれそう。